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チタンボルトのメリット・デメリット

現状、機械加工できる強度順で最強素材で言えば「チタン」が真っ先に浮かぶことになります。

用途別に最適な素材は様々ですが、チタンと聞くと「軽くて強度も高く腐食性に優れている」など、良いところばかりに感じるかもしれません。しかし、どんなものでも、良い部分の反面に悪い部分(適さない)部分があります。

そんな素材のチタンですが、材料自体のコストが高額であるがゆえ、あまり大きな部分(質量を要する部品)には利用されません。そのほとんどはボルトになってきます。ここでは、そんな「チタンボルト」についてメリットとデメリットを解説していきます。

チタンボルトのメリット・デメリット

魅力に感じるチタンボルトではありますが、チタンボルトに変更・採用するためには、良い点と問題点を知っておくことで選択しやすくなります。

レーシング車以外の一般向けアフターパーツにおいては飾りとしてのメリットの方が強くなりがちです。

チタンボルトの【メリット】

チタンボルトのメリット、魅力は以下のような事項が挙げられます。

  • 金属の中では最高クラスに硬い (比重に対する強度として)
  • 金属の中で軽量
  • 腐食性が高い
  • ステンレスに近い金属外観

しかしながら、「硬い」ことから逆に加工しにくいために加工時間の増加やツールを超硬ばかり必要になることの工具の高額化、素材自身も大変高価であることで、全体的に高額にしかなりません。

そのため、どうしても使用できる用途が限定的になってきます。

こういった理由から、「強度が必要で質量の小さいボルトやナット類に利用される」ことが多くなってきます。

チタンボルトの画像
チタンの代表的な色のグラデーション

当社バンパーにはチタン製スクリューなどは利用していませんが、仮に軽さの限界を追求して行くことや、強度が保てない箇所に必要とあればチタンを利用することも可能です。そのため、現状の商品ラインナップからしても今のところは予定がありません。

チタンボルトの【デメリット】

一方、チタンボルトのデメリットとしては以下のような項目が挙げられます。

  • 素材自体が高額であること
  • 加工時間がかかる
  • 加工する工具が特殊になる(超硬が必要)
  • 切削性や加工性が低い(熱伝導率が低いことも関係する)
  • 摩耗性は低い(ボルトなどの恒久的な用途には向く)
  • 軽量化を進めていくと、製品としては折れやすくもなる

チタンは本当に硬く加工が容易ではないため、素材自体だけでなく加工時間も含めることになり、やはりチタンの切削加工は本当に高額な代物になってしまいます。(溶接は薄いために穴が空きやすいのでまた難しい点で高額になりやすい)

チタンに向く部品の用途例

デメリットが多く感じられてしまいがちですが、ポイントは高価になり単体では大きいものとしては利用されないことが代表してきます。

そのためチタン製が利用される部品としても限定的です。
一例としては以下のようになります。

  • 航空機、ロケットなどのボルト、または外板
  • レーシングカー、バイクのボルトや切削ステー、サポート
  • 腐食性が求められる、医療器具

チタンボルトのメリット・デメリットをよく考察したうえで選択しないと、外観的な質感からくる自己満足で終わることも多々あります。

ボルトとしての用途が主になる

0.1gでも重量を落としたい。
チリも積もれば合計で数100gになるとか、その分の効果がハッキリと見い出だせる様な、レーシングパーツや商品(部品)にならなければチタン製である意味が持てない素材とも言えます。

ちなみに金属だけではありませんが、素材は硬くなればなるほど割れやすくもなります。

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