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ポリカーボネートの塗装手順紹介

用意するもの
ポリカ素材に塗装したパネル
ポリカーボネート製のパネルをカスタムペイントします。

透明なパネルの素材には、アクリルやポリカーボネートの素材が利用されることが多いのですが、エッジラインバンパーの背面パネルはポリカーボネート製です。

このポリカーボネートという素材は、塗料の密着性が悪く剥がれやすい性質があります。その剥がれを防止するために、「プライマー処理」を下地の段階で施しておけば、その後に一般的な塗料で塗装しても剥がれにくくなります。

透明パネル系は薄くて曲げやすい、熱で膨張や変形しやすいこともあるため、塗料が追従できずに剥がれやすいこともあります。そのため、ポリカやPP素材にペイント塗装する場合はプライマー処理をお勧めします。

そんなポリカーボネートの素材である背面パネルをカスタムペイント風に2色で色分けして塗装する手順を紹介していきます。

パネル塗装の作業手順

EDGE_LINEのクリアパネルを塗装してみました!

基本的にホームセンターで揃えられるスプレーやシンナーなどを材料としてDIYでチャレンジできます。

2色塗装の手順

  1. 色を入れる順番を考える
  2. 下地作り
  3. 塗装面の脱脂・ホコリ除去
  4. プライマー処理(塗料が密着しにくい材質の場合)
  5. マスキング
  6. 色塗り塗装→乾燥
  7. マスキングを剥がす
  8. (2色塗装の場合)2色目を塗装する
  9. 乾燥して完了

素材がポリカのため、プライマーを使用します。

プラスチックプライマー
塗料が剥がれにくくなるプライマー

まず最初に、EDGE LINEのクリアパネルはポリカーボネート(以下ポリカ)製で、曲げに対しての柔軟性と素材の透明感がありますが、塗料に対しては非常に密着性が悪い性質のため、色塗り塗装前に密着(プライマー)処理をすることが望ましいです。

プライマーを下地に処理しておかないと、数日で塗料がメキメキと剥がれてしまいます。

プライマー処理はスプレー式で吹くだけです。

処理といっても、スプレー式の「プラスチックプライマー」(密着材)がホームセンターで販売されてますので、塗装と同じように吹き付けるだけです。自動車用補修塗料コーナーにあると思います。

※ポリカーボネートという素材は、組立式のラジコンのボディーなどに使われてる事が多く、ホビーショップではポリカ専用の塗料が入手できます。
しかし、ポリカ用塗料はほとんどのホームセンターでは扱ってない場合が多いため、安価なアクリルスプレーと「プラスチックプライマー」を併用して代用とします。

それでは、作業手順を紹介していきますが、今回は、比較的簡単な2色分けでデザインを入れてみます。

【用意するもの】

※今回はホームセンターで安価に購入できるもので作業しています。

  • 塗料(アクリル系やラッカー系の安価なスプレー。ポリカ用なら尚可)
  • プラスチックプライマー(有名な商品ではミッチャクロン)
  • シンナー
  • 綺麗なウエス
  • 足付け用スカッフソフト2,000番相当(1,500番の耐水ペーパーでも可)
ポリカーボネートへの塗装で用意したもの

●これらも用意すれば作業が楽になります。

・マスキングテープ(単色塗装でもあったほうが望ましい)
・デザインカッター(塗り分けする場合)

【作業手順】

1.デザインによって、塗りの順番を考えます。

今回2色を使用して塗り分けを行います。デザインが細かいので、先にシルバーから塗っていきます。マスキングを1度だけにするため、シルバーの模様を塗った後、ブラックで全面塗りします。

塗装するデザイン完成形

※裏面を塗ることになるため、文字やデザインは反対、塗る順番は色の重ねで逆になります。

2.『クリアパネル』の裏側に塗料を密着させるため、スカッフソフトなどで傷を付けます。

塗料を密着させるため、パネルの表面に傷をつける作業になります。ここでは表面自体はもともと綺麗な表面なので、塗装する面に細かい傷を付ければ十分です。

この下地処理では、スカッフソフトと呼ばれる、要するに「タワシ」を使っています。 表面側が鏡面なので1,500番程度なら塗装後傷は表面には見えません。

スカッフソフト

※表面になる側に傷をつけてはいけません!塗装する面だけ削ってください。

3.ウエスにシンナーを含ませ、汚れ、ほこりを軽く拭き取ります。

脱脂処理になります。手で作業してますと、手垢や空気中の油なども含んで表面に付着してますので、必ずシンナー拭きが必要です。

シンナーで脱脂

4.「プラスチックプライマー」を色を入れる前に数回に分けて塗装します。

今回はポリカーボネートへの塗装のため、プライマー処理を施しています。基本的にプラスチック素材(ABSやPP)は全てプライマーを塗っておくことをお勧めします。

プライマーを塗装する

※塗装面の表面は荒れますが気にしないでください。ウェット塗りは厳禁です。

5.乾燥させてから内部のデザインとなるマスキングを行います。

ここではカッティングマシーンを使って、デザインで切り抜きしておいたマスキングフィルムを利用します。マスキングテープをカットしてデザインを切り抜いてもOKです。

マスキングフィルムでデザイン

※マスキング方法は様々です。今回はカッティングマシンでカットした専用のマスキングシートを使ってます。

6.シルバーの塗装

必ず飛び散りますので、換気のいいところでダンボールの上などに置いて、スプレー缶をよく振ってから塗装していきます。

別の場所で試し塗りしたあとで本塗装を行ってください。スプレー缶はそれぞれ塗料の出方が違い、慣れるのが必要なためです。

シルバーの塗装

※色が染まるまで3回ほどに分けて、とにかく薄く塗ってください。艶が出るからといって、ウェット塗りをすると失敗します。

ここでのシルバーは色が染まれば良いです。厚く塗る必要は一切ありません。

7.よく乾燥させた後、マスキングを剥がします。するとシルバーのみが残ります。

塗料がラッカー系のためもあり乾燥は早く、この時期ですと5分程度でマスキングを剥がしていますが、薄く塗ってあることがポイントです。塗料の厚みがあれば1時間は欲しくなります。

シルバー塗装後にマスキングを剥がす

指で塗面を触って乾燥していても、念のため、マスキングはデザインカッターなどを使って慎重に剥がすことが必要です。
塗料にもよりますが、プライマー処理も完全ではない場合があります。

8.背面となるブラックを塗装します。

シルバーに塗られた模様の上から一気に黒で塗装していきます。

塗装する前にはホコリ等がないか確認します。2色目のため、 シンナーを使って拭きとることはできませんので、エアブローが望ましいです。

ブラックを塗装

※ここまでウェットで塗らなくても構いません。均等にムラなく塗ることが重要です。

9.乾燥後、シンナーを含ませたウェスで『クリアパネル』のふちと表面側を軽く拭きとって完成です!

マスキング無しでブラック塗装しましたので、パネルの厚みの側面にも塗装が付いています。そのため、シンナーを含ませたウエスで端面の全周をなぞって拭き取ってしまいましょう。

また、表面側にもカメラの穴があったため塗料が微妙に付着していますので、カメラ周りをウェスでふき取ります。

塗装が完成した状態

※とにかく、急ぐ気持ちは厳禁です!屋外での塗装は乾燥が早いため次の作業に早く移りがちですが、各工程1時間以上は置いてから次の作業に移ってください。


作業の3番で塗装面に傷を付けて艶が無くなりますので、綺麗に仕上がるか心配になるかもしれませんが、見る側の表面に艶があれば、そのまま艶出しの仕上がりになります。

塗り分けは少し苦労しますが、その分、オリジナル度が上がります。エアブラシがあれば、グラデーションで塗装することも容易ですね。

今回ご紹介した塗り分け方法は、初めての作業でしたら少しハードルが高いかもしれませんので、最初は単色塗り+ステッカーなどでデコるの簡単です。また、車のボディー補修スプレーであれば特殊な色が多く選べるのでオススメです!

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この記事はalumania(アルマニア)のスタッフによって調査・検証して投稿されています。
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“ポリカーボネートの塗装手順紹介” への4件のフィードバック

  1. まえぱら より:

    クリアパネル塗装カッコいいです!
    XPERIA Z用も開発していただけたら、購入したいです!
    是非、ご検討を!

    • alumania より:

      申し訳ございません!バックパネル式はパネルの厚み分以上にバンパー部が厚くなってしまうので、特に大型のZでは操作性を低下させるため採用を見送った経緯があります。

    • まえぱら より:

      なるほど、納得の回答ありがとうございました。
      操作性悪くなったらダメですもんね!

    • alumania より:

      こちらこそありがとうございました!

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