今や「ノギス」も100円ショップで販売されるほど身近なものになっています。測定器であるがゆえ、しっかりとしたものであるべきですが、測定器メーカー品では高額でありますし、少し測りたいだけなら100円ノギスでも十分であったりします。
なお、商品名は「ホビーノギス」となっていますので、ホビーと呼んでいるだけその精度を期待してはいけないものだと思います。
しかしながら、「100均で買えるノギスのその実力(精度や使い勝手)はどれほどか?」を興味本位でミツトヨノギスと比較しながら検証してみました。最後にノギスの目的と100円ノギスの総評もまとめて紹介しておきます。
100円ノギスの詳細
3っつの測定機能もしっかり持っています。
パッケージには記載されていますが、ジョウを開いてみないと分かりませんので、実際にパッケージから取り出して開いてみれば、しっかりとノギスの重要な3っつの測定箇所(外側・内側・デプスバー)が備わっています。
比較するノギスとしてはミツトヨ製を使います。
なお、ノギスの使い方についてはこちらも参考に
外側ジョウで測定してみる
20㎜のブロックゲージをあててみました。このブロックゲージは限りなく20㎜であると考えて良いので、100円ノギスの目盛りがしっかりと20を指すかどうかです。
結果→20mmをぴったり指しており正確です!素晴らしい
内側ジョウで測定してみる
内側を測るために良いゲージが無かったので、幅16mmのポケット加工した製品部分に内側ジョウをあてています。上がミツトヨで下が100円ノギスです。
結果→ここでも16㎜の幅をしっかりと正しい数値で指してくれました。
デプスバーで測定してみる
ブロックゲージを使って、垂直に正しく当てて数値を読み取ります。(本来であれば定盤の上で測定するものです。)画像が上下に長くなるのでノギスの下と上で分けています。
デプスバーで20mmのブロックをあててみたところ、少しずれは生じています。もちろん100円ノギスの精度が1㎜単位なので問題ありませんが、少し正確性には欠けるのがデプスバーでの測定となりました。
結果→微妙にはズレましたが、1mmの精度であれば正確といえます。
これはデプスバーのバー自体の作りによるものですが、合格レベルです。
100円ノギスのまとめ
- 精度は1㎜単位(0.1mm単位は測定できない)△
- 外側・内側の精度は良好 ◎
- デプスバーは少し正確性に欠ける。△
- デプスバーの形状は平ではなく丸棒で軟弱 △
- 1㎜単位の精度は十分満足に正確に測定できる。 ◎
- 内外ジョウには角逃げの形状も再現され確保されている。◎
- 素材がプラスチックではあるため、熱の影響は生じるが精度(1㎜)範囲内での収縮なため、精度としては問題ない。〇
- 使い勝手としてもロック機能はありませんが申し分ない ◎
ノギスの利便性を再確認
ものさしや定規では、目盛りから目視で読み取るしかありません。これでは簡単に1㎜以上の差が出てしまいます。見る方向や目盛りを読む人によって数値が簡単に変わってしまいます。
内径も深さ測ることができるノギスは、物を立体的に測定しやすい手軽な道具でもあります。「定規」や「ものさし」は線を引くために補助的に目盛りがあると考え、”測る”ときはノギスなどの測定を目的とした道具を使いましょう。
ここで紹介したノギスが100円とはいえ、十分な性能で実用的な機能と便利さは侮れません。
文房具の一つとしても引き出しに入れておけば大変重宝します。その精度的な部分も検証出来たのでオススメします。(0.1㎜の精度を求めない場合)
この記事は機械加工の中でもアルミフルビレット技術を駆使して独自の観点によって「独創性のアイテム」を造り出す、alumania(アルマニア)の専門スタッフにより執筆されています。
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