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スプリングワッシャー(ばね座金)の特徴とJIS規格サイズ

スプリングワッシャーの特徴とJISサイズ

ばね座金(スプリングワッシャー)を使用すると、ネジやボルトを締め付けする力が強くなり、常時スプリングの反発効果でネジ山同士に力をかけることになるため、外れにくく(緩みにくく)なります。

ばね座金を使用すれば外れにくく(緩みにくく)はなりますが、ネジやボルトは締め付け後に何もしなければ自然に緩んでくるわけではありませんので、ばね座金を使用する場合は、微振動や常時可動するような部分に用いると効果的です。また、締め付けと同時にカシメなどを行うような組み立て物にも併用されます。

スプリングワッシャーを用いる主な用途、目的

  • 常に振動が生じる部分への締め付け
  • 緩み防止対策
  • 一般以上に荷重(トルク)をかける必要がある場合
    (作業者の一定性を確保や、締め付け忘れ防止)

ただし、ばね座金を使用すれば「絶対に緩まない」ということはありません。過信は禁物です。一定の効果はありますが、しっかり締め付けたからといっても絶対に緩まないということはありません。
本当に外れてはいけない、緩んではいけない箇所にはネジロック(締結剤、ゆるみ止め)の方が効果が高い場合が多いです。また、ネジ締結剤にも種類があり、目的別に適切な種類を選ぶことで効果が高くスプリングワッシャーが不要になるケースが数多くあります。

ネジロック剤をネジ部に塗布した例

ネジロック締結剤が塗られた状態
ネジ部の赤い部分がネジロック剤

ばね座金 JIS規格の種類

ここでいう、「ばね座金」は一般的に最も目にする、平ワッシャーが一か所カットされてねじられた形状のものを指します。

ばね座金のJIS規格種類

  • 2号 = 一般用
  • 3号 =  重負荷用(重荷重用)

JIS規格上のばね座金の中には形状違いの種類としてその他に、「皿ばね座金」「歯付き座金(内歯、外歯、皿形、内外歯形)」「波形ばね座金」があります。

ばね座金の場合は、単にサイズ違いの2種類になっており、2号の一般用が利用されていることがほとんどです。2号と3号の主な違いは更なる強さを持たせるための厚みです。3号は重荷重用になり、厚みが2号の一般用より厚くなっています。

ここでは、固定した時にばね部が潰された状態(ばね部が広がっていない状態、締め付け後の状態)の外径と内径と厚みにとして、各種ネジのM径サイズ別のばね座金の寸法サイズついて紹介していきます。

ばね座金(スプリングワッシャー)のJIS規格サイズ表

スプリングワッシャーのJISサイズ

先に紹介したように、ばね座金には一般用の2号と重荷重用の3号で2種類があり、主には2号が利用されます。これらはJIS B1251(2018)にて規定されており、寸法値は外径が最大値、厚みは最小値になります。

スプリングワッシャーのJIS規格サイズ2号と3号
種類 2号(一般用) 3号(重荷重用)
呼び 基準 内径 基準 外径
(最大)
基準 厚み
(最小)
基準 内径 基準 外径
(最大)
基準 厚み
(最小)
M2 2.1 4.4 0.5      
M2.5 2.6 5.2 0.6      
M3 3.1 5.9 0.7      
M3.5 3.6 6.6 0.8      
M4 4.1 7.6 1.0      
M4.5 4.6 8.3 1.2      
M5 5.1 9.2 1.3      
M6 6.1 12.2 1.5 6.1 12.2 1.9
M7 7.1 13.4 1.6 7.1 13.4 2.0
M8 8.2 15.4 2.0 8.2 15.6 2.5
M10 10.2 18.4 2.5 10.2 18.8 3.0
M12 12.2 21.5 3.0 12.2 21.9 3.6
M14 14.2 24.5 3.5 14.2 24.7 4.2
M16 16.2 28.0 4.0 16.2 28.2 4.8
M18 18.2 31.0 4.6 18.2 31.4 5.4
M20 20.2 33.8 5.1 20.2 34.4 6.0
M22 22.5 37.7 5.6 22.5 38.3 6.8

M24

24.5 40.3 5.9 24.5 41.3 7.2
M27 27.5 45.3 6.8 27.5 46.7 8.3
M30 30.5 49.9 7.5      
M33 33.5 54.7 8.2      
M36 36.5 59.1 9.0      
M39 39.5 63.1 9.5      

早見表を印刷したい場合はpdf版をご利用ください。

組み込み用ばね座金のJIS規格サイズ表

組み込み用ばね座金
組み込み用は外せないタイプで若干小さくなる

組み込み用とは、ネジやボルトの頭の下に一体化されている、主に外せないばね座金を指します。
基本サイズは一般用に似ていますが、外れないように内径が狭くなっており、外径も少し小さくなります。厚みは一般用と同じです。

組み込みスプリングワッシャーのJIS規格サイズ付属書A
種類 2号(一般用) 3号(重荷重用)
呼び 基準 内径
(最小)
基準 外径
(最大)
基準 厚み
(最小)
基準 内径
(最小)
基準 外径
(最大)
基準 厚み
(最小)
M3 2.68 5.5 0.7      
M4 3.56 7.0 1.0      
M5 4.50 8.5 1.3      
M6 5.40 11.5 1.5 5.4 11.5 1.9
M8 7.35 14.5 2.0 7.35 15.0 2.5
M10 9.35 17.5 2.5 9.35 18.0 3.0
M12 11.35 20.5 3.0 11.35 21.0 3.6

これはJIS B1251(2018)の付属書Aにて規定されています。

平ワッシャーとの併用は必要なの?

ばね座金は締め付け前はねじれによって端面に角が立ってしまいます。このために、相手の座面に食い込む可能性があります。

特に柔らかい材料(金属なら真鍮やアルミなどのネジ座面)に対しては、相手座面への食い込みと座屈を起こしやすく、外すことも想定する場合や美観をある程度求める場合には、平ワッシャーとの併用がオススメになります。

スプリングワッシャー使用時は平ワッシャも併用
平ワッシャーとの併用をオススメします。

平座金を併用するときの、ばね座金の位置(順番)

平座金(平ワッシャー)とばね座金(スプリングワッシャー)を併用する際は、画像のように上から見ると以下の順番に位置します。

  1. ボルト、ナット
  2. ばね座金
  3. 平ワッシャー

スプリングワッシャー(ばね座金)は相手座面の保護の観点から、平ワッシャー(平座金)とネジやボルトの頭との間に入れることが適切な順番になります。これは、ナット側に使用する場合も同様の考え方になります。

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