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六角穴付きボルト(キャップスクリュー)JIS規格サイズ早見表

キャップスクリューサイズのサムネイル

頭に六角形状の穴を持ったボルトを「キャップスクリュー」と呼びます。JIS規格では「六角穴付きボルト」と呼んでおり、そのネジ部のサイズでM1.6~M64までと幅広いサイズがあります。ここでは各ネジサイズごとに適合する六角レンチサイズと、ボルト側の頭形状詳細寸法を一覧にして紹介していきます。

なお、六角穴付きボルト(キャップスクリュー)のJIS規格はJIS B1176:2014にて制定されております。

キャップスクリューサイズのサムネイル

各種サイズを紹介する前にキャップスクリュー(六角穴付きボルト)の特徴をまとめていきます。なぜキャップスクリューが広く利用されているかが分かるかもしれません。

六角穴付きボルトの特徴

  • 外形の縁が尖っていないので痛くないため、締め付け後に安全とされる。
  • 六角レンチが必要になるが力を掛けやすい。
  • 力をかけすぎると主にはレンチ側がなめやすい
  • 沈める(座ぐり)ことで製品の表面より奥に位置させることができる。
  • 六角穴が削れる(なめてしまうと)と外す(緩める)ことは困難
  • 六角ボルトよりも頭の外径が小さくできる→狭い場所で利用しやすい

何よりキャップスクリューを使用する最大のメリットになる特徴は、頭が小さく表面に出ないように「奥に沈めることができる」点になってきます。相手側は沈めフライスを利用したカウンターボア加工となり、平たく言えば段付き加工(座ぐり加工)によってボルトの頭を飛び出さないようにすることができます。

キャップスクリューは沈めることができるメリットが大きい
製品の表面から飛び出ないため安全なボルト締結方法の一つ

外から工具を当てることはできなくなりますが、飛び出さないことが大きな特徴になります。逆に頭が飛び出しても良い場合は、外から工具が当てにくい狭い箇所でボルトによる締結が必要な場合にも有利です。

但し、座面も小さく工具が限られますので、大きなトルクで締め付けたい場合には、締め付け箇所を増やすなどの工夫が必要になります。

ヘッド(頭)のデザイン違い

一般的に見かけるキャップスクリューのほとんどは頭の側面に小さいギザギザを持った「ローレット付き」になっています。ほんの僅か(ネジ径により0.1~0.3㎜程度)ですが、ローレット無しよりも頭の外径は大きくなります。

キャップスクリューのローレット付き
利用されるほとんどのキャップスクリューはローレット付き

キャップスクリューの一般的な形状は画像のようなタイプになりますが、その他にもトラスやボタン、極薄など頭の形状だけでも用途に応じた様々な形状があります。ただし、基本となるサイズは「六角穴付きボルト」が基礎になっています。

材質についても鉄鋼材からステンレス、色も亜鉛やクロームメッキ、黒染めなど多様です。意匠性もあるため、フランジボルトと比較して利用されることも多いです。

頭を収める座ぐり(沈めフライス)加工切削工具

キャップスクリューの頭を沈めるための加工は「沈めフライス」を利用するのが一般的です。2段になったエンドミルと同じようなものですが、先に空けたネジ部が通る穴をガイドにして中心がズレることなく沈める(段付き穴を作る)ことができます。

沈めフライス工具
キャップスクリュー専用の切削加工ツール

Mネジサイズごとに専用サイズになっているので、M径さえ合っていれば特に段付き加工のサイズを確認する必要もなく沈める部分の加工ができます。但し先に穴を空けておく必要があります。

適合する六角レンチ(工具)サイズ一覧

キャップスクリューを締める際に必要な六角レンチ(工具)はネジ部の大きさ(Mサイズ)ごとで適合できるサイズも異なります。
六角レンチ側も六角穴とのサイズが合っていないと、締めることも緩めることもできません。

ネジ部のサイズごとで六角レンチの適合サイズも異なる
ねじサイズ M1.6 M2 M2.5 M3 M4 M5 M6
六角レンチ 1.5 1.5 2 2.5 3 4 5
ねじサイズ M8 M10 M12 M14 M16 M20 M24
六角レンチ 6 8 10 12 14 17 19
ねじサイズ M30 M36 M42 M48 M56 M64
六角レンチ 22 27 32 36 41 46

六角レンチ自身の素材は主に柔らかめの鉄鋼材です。そのため、力を掛けると壊れやすくなめやすい(削れやすい)のは六角レンチ側になっており、キャップスクリューが工具で外せない(空回りする)時は別の六角レンチを使用すれば外せることが多々あります。

六角穴付きボルトの詳細寸法

キャップスクリューの詳細サイズタイトル画像

JIS規格では並目と細目の2種類の詳細サイズが記載されており、分かれています。しかし、基準は同じです。

並目の詳細寸法

キャップスクリュー寸法表(並目)
六角穴の突き当り形状はJISに種類あり。ここでは120度形状
六角穴付きボルトの頭詳細寸法一覧 (単位mm)
ネジ径 ネジピッチ 六角穴A 深さB
(最小)
外径C
(ローレットありの最大)
高さD(最大)
M1.6 0.35 1.5 0.7 3.0(3.14) 1.6
M2 0.4 1.5 1.0 3.8(3.98) 2.0
M2.5 0.45 2 1.1 4.5(4.68) 2.5
M3 0.5 2 1.3 5.5(5.68) 3.0
M4 0.7 3 2.0 7.0(7.22) 4.0
M5 0.8 4 2.5 8.5(8.72) 5.0
M6 1.0 5 3 10.0(10.22) 6.0
M8 1.25 6 4 13.0(13.27) 8.0
M10 1.5 8 5 16.0(16.27) 10.0
M12 1.75 10 6 18.0(18.27) 12.0
(M14) 2.0 12 7 21.0(21.33) 14.0
M16 2.0 14 8 24.0(24.33) 16.0
M20 2.5 17 10 30.0(30.33) 20.0
M24 3.0 19 12 36.0(36.39) 24.0
M30 3.5 22 15.5 45.0(45.39) 30.0
M36 4.0 27 19 54.0(54.46) 36.0
M42 4.5 32 24 63.0(63.46) 42.0
M48 5.0 36 28 72.0(72.46) 48.0
M56 5.5 41 34 84.0(84.54) 56.0
M64 6.0 46 38 96.0(96.54) 64.0

六角穴付きボルトの場合は、頭の高さはネジサイズと同じになっています。六角穴のサイズは少し覚えにくいですが、頭の最大高さだけはネジ径と同じなので覚えやすくなっています。

設計時に沈め加工する際にも、ネジ径以上の深さを作っておけばキャップスクリューを使用しても平面から飛び出さなくて済むということになります。

細目の詳細寸法

キャップスクリュー寸法表(細目)
細目は並目と基本外形は同じ
細目の六角穴付きボルトの頭詳細寸法一覧 (単位mm)
ネジ径 並目ネジピッチ
(カッコ内特殊)
六角穴A 深さB
(最小)
外径C
(ローレットありの最大)
高さD(最大)
M8 1.0 6 4 13.0(13.27) 8.0
M10 1.0(1.25) 8 5 16.0(16.27) 10.0
M12 1.5(1.25) 10 6 18.0(18.27) 12.0
(M14) (1.5) 12 7 21.0(21.33) 14.0
M16 1.5 14 8 24.0(24.33) 16.0
M20 1.5(2.0) 17 10 30.0(30.33) 20.0
M24 2.0 19 12 36.0(36.39) 24.0
M30 2.0 22 15.5 45.0(45.39) 30.0
M36 3.0 27 19 54.0(54.46) 36.0

並目の場合も基本的な頭形状の大きさ、穴の大きさ深さは並目と変わりありません。細目版はピッチのみ並目より小さく(狭く)なっているだけです。
また、JIS規格上は細目の場合M8~M37までしか定義されていません。このことからも細目のキャップスクリューを利用したり目にすることは非常に少ないです。

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