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「ネジゲージの使い方 通り側・止まり側の違い」
「ねじゲージ」は生産加工された部品または製品の「雌(メス)ねじ」または「雄(オス)ねじ」部分が、正しく加工できているか確認するための測定器(ゲージ)です。
加工した雄(オス)ネジ側を確認したいときはリングゲージを用います。
ここでは雌(メス)ねじ側の確認ができるプラグ側の「限界ネジゲージの使い方」として紹介していきます。
種類 | 使い方 |
---|---|
限界ゲージ | 雄ねじ用は通り側と止り側が対になっており、通り側は「通り」、止り側が「2回転を超えてねじ込まなければ、そのねじは合格」となります。ねじ規格と同じ等級で定められており、1~3級には工作用と検査用があります。 |
標準ねじゲージ | ねじの基準山形および基準寸法に正しく作られたゲージでお互いに無理な遊びなくはまり合うプラグとリングで構成しています。 |
管用ねじゲージ | 管用平行ねじと管用テーパねじの2種類があり、「管用平行ねじ」はねじ用限界ゲージと同様の使い方になります。 「菅用テーパゲージ」は端面に切欠き(PTは1段、Rは2段)があり、測定する部品の末端部分が切欠きの範囲内にあれば合格となります。 |
プラグゲージとは?
ねじゲージは「プラグゲージ」とも呼ばれますが、エンジンのスパークプラグのネジ部を測るような測定器ではありません。
限界ねじゲージの使い方
ネジ部寸法の上限と下限を「(GP)通り・(WPやNP)止り」で検査するのが【限界ねじゲージ】です。

GPとWP(NP)の表記
ゲージの両側にGPとWPが表記されています。それぞれの違いは以下の通り
- GP側 =「通り側」(奥までしっかり入ることで判定)
- WP(NP)側 =「止まり側」 (2回転以内で止まるかで判定)
限界ゲージは両側に雄(オス)ネジがあり、そこに測定したい対象物をねじ込んで、「入るか、入らないか」「2回転以内で止まるか、止まらないか」で判定していきます。
その通りにならなければ、ネジの等級に合っていないということになります。ただし、等級に合っていないというだけで、ネジとして機能もしないということとは違います。
手順1. GP(通り)側に入れる
測定対象物をWP側にねじ込んで、奥まで入って止まるか、薄いナットのような貫通しているものなら、ゲージの奥まで入るか確認します。

入ればGP側はOKです。次のWP側に進みます。
ここでねじ込んだ時に途中で止まっていまったら等級には合っていません。
また、GRで入らない場合はゲージが合っていないか、そもそもネジがしっかり加工できていません。
ここで入らなければ、手順2に進むまでもなくNGです。
手順2. WP(通り)側に入れる
WP「止まり側」は、確認したい加工された部品をゲージのWP側にネジ入れて2回転以上回ってはいけません。
2回転以内に止まらない場合は「等級からは外れている」という意味になります。
この手順2では、手順1をパスした後で確認するものでもあって、先ほどにも書きましたが、ここでNGでも「等級には合っていないだけ」という意味しても取れてしまいます。手順1を通って(パスして)いればネジとしては機能します。
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通り側・止まり側(GPとWP)の違い
ネジ部を拡大して比較
GP側とWP側をアップして見てみましょう。普段使っていてもアップして見ることがなかなか無いので、違いに気づかないことも多いです。

見た目からしてはっきりしていることは、GP(通り側)とWP(止まり側)ではネジ山の先端の鋭さが違うことが分かります。
GPの通り側はしっかりとしたネジ山ですが、止まり側のWPはネジ山の頭が鋭く形成されていない状態になっています。これが測定対象のネジの山と谷がしっかりと形成されている場合に、相手の谷側で止まる機構になります。
GP側(通り側)の大きさ
画像のネジゲージがインチ用なのでMで表すと7.7です。それに対してWP側は7.95の雄ネジ外径になっています。

WP側(止まり側)の大きさ
基準M7.7に対してGP側の外径は7.85になっています。

GPとWPの差は外径で0.1㎜違います。最初の画像の山の先端高さが違う部分がここに値します。なお、この基準サイズ7.7では0.1㎜違うというだけで、基準サイズが違えばこの差は大きくなったり小さくなったりします。
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