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アルミホイールナットの種類 国産自動車メーカー別

座面とネジサイズの違い

自動車のアルミホイールとハブボルトを連結するためのホイールナット(ハブナット)は種類やネジのサイズが様々あって分かりにくいものではありますが、その違いは単純に座面形状の違い別で3種類になります。

ホイールナットの座面違い3種類

詳細は事項で説明するとして、主な国産乗用車メーカー別で使用されるナットの種類とネジサイズを表にまとめています。※OEM車もあるため、完全には一致しない場合はあります。

国産自動車メーカー別に使用されるホイールナット違い

メーカー別 形状 ネジサイズ 六角サイズ
トヨタ・レクサス 平面座 M12xP1.5 21mm
ホンダ 球面座 M12xP1.5 19mm
日産・スバル・スズキ テーパー座 M12xP1.25 19mm
三菱・マツダ・ダイハツ テーパー座 M12xP1.5 21mm

アルミホイールの4~6っつの穴に入れる奥の面が座面となっており、「テーパー」「フラット」「球面」の違いで使用するホイールナットも変わってきます。ネジのサイズや頭のサイズはその後に確認します。

ここから特殊なホイール(社外、輸入車)を除き、主に国産メーカーの純正アルミホイールで使用されるホイールナットの種類を紹介していきます。

アルミホイールナットの種類(座面別)

国産車のアルミホイールに使用されるホイールナットは「テーパー」「フラット」「球面」に分けられます。

これはナットを締めつけた時にホイール側とナットの接触する面同士の形状で分けられます。

ホイールナットの座面違い
ホイールに接する面の形状が異なる

画像の赤い部分が座面の特徴になります。名称がそれぞれに分かりやすいため、名称からの想像の通りになります。ナット単体の下にホイール側の断面図でホイール側との当たり面も分かります。

国産車のホイールナットは座面別に3種類
「テーパー座」「平面座」「球面座」の違い

ここからは、アルミホイールとナットが接触する座面が異なる3種類のを個別に詳しく見ていきます。それぞれの特徴は角度や座面の違いとなってきます。その後に形状別にネジサイズや頭のサイズを解説していきます。

テーパー座(60度)

テーパーナットの先端は60度

トヨタとホンダ以外で多くみられるテーパーナットです。社外ホイールの座面もほとんどはテーパーナットです。先端角度が60度になっており、数多くの市販ホイールナットはこちらになっています。

テーパー座の主な特徴

  • ニッサン、スバル、マツダ、スズキ、ダイハツ、ミツビシなどで利用される最も汎用性の高いホイールナット
  • ネジピッチは2種類ある。M12xP1.5かM12xP1.25
  • 社外アルミホイールのほとんどがテーパー座
  • 先端角は60度が基本だが角度違いもある

平面座(へいめんざ)、平座(ひらざ)

平座にはワッシャーが付く
平面ナット

トヨタ(レクサス)車のほとんどの純正アルミホイールに使用されているのが、平面座です。フラットな平面同士で結合し、平面ナットやトヨタ用のナットとも呼ばれます。ワッシャーが挟まっており、そのおかげで3種類の中では最も大きなホイールナットになります。(ワッシャーは抜けないものがほとんど)

平面座の主な特徴

  • トヨタ、レクサス車の純正アルミホイールに使用されている
  • ワッシャー付きで大きい。ホイール側もナット部が大きくなる。
  • 平面座のネジサイズはM12XP1.5
  • 締めてもホイールのセルフセンターが出ない

球面座(きゅうめんざ)

ホンダ車のほとんどの純正アルミホイールに使用されているのが、球面座(球面ナットとも呼ばれる)になります。座面別の純正ホイールナット3種類の中では最もコンパクトなサイズになります。

球面座は先端が半球面(半円)形状
球面ナット

球面座の主な特徴

  • 基本的にはホンダ車のみで使用される
  • 六角面幅が19mmと小さい(コンパクトが得意なホンダらしさを感じる)
  • ナットの高さも低く抑えられる
  • ネジサイズはM12XP1.5
  • 座面の球面はテーパーと勘違いされやすい

球面座はテーパー座と勘違いしやすい

球面座のポイントとして、一見ホイール側を見ただけではテーパーに見えてしまいます。ここにテーパーナットで締め付けると座面が変形してしまいます。取付自体はできてしまいますが適切ではありませんし、ホイール割れが起きてもおかしくありません。

ホンダの純正ホイールには、特にナットの種類は注意が必要です。

ホンダの球面座は特殊

メーカー別ホイールナットとハブボルトサイズ

座面違いはメーカー別で大きく分けることはできますが、一部の車両では異なる場合やOEM車もあるため100%完全にはメーカー別で分けられません。
但し、大きな傾向としてはメーカー別で純正アルミホイールに使用されるナットの種類を分けることはできます。

座面別→メーカー別→ネジサイズ→頭の面幅の順に分けていくと以下のようになります。ナットの種類、ネジサイズの説明等沢山ありますが、区分けすればこのようになり、ホイールナットの種類は複雑ではありません。

ナットの形状違い
座面違いのネジサイズ、メーカー別

完全にメーカー別に分けやすいのがハブボルトのネジサイズです。

現在ではハブボルト(ホイールナット)はM12(12㎜の直径)で統一されていますが、車輛メーカーごとにネジピッチ(山と山の間の距離)がP1.5かP1.25に分かれます。

加えてナットの頭の六角形状サイズ(面幅)が19㎜か21㎜で分かれています。

メーカー別ハブボルトサイズ

メーカー別 ハブボルトネジサイズ
トヨタ・レクサス
ミツビシ・マツダ
M12×P1.5
ホンダ M12×P1.5
ニッサン・スバル・スズキ M12×P1.25
ミツビシ・マツダ・ダイハツ M12×P1.5
  • ハブボルトはM12でピッチが2種類(P1.5かP1.25)
  • 六角面幅は2種類(19mmか21mm)
  • ナットの形状は3種類(テーパー座、平面座、球面座)

※トヨタの平面座とホンダの球面座はM12xP1.5
※テーパー座はP1.5とP1.25がある。

社外ホイールに交換する際のホイールナットは?

社外ホイールはテーパー座が多い

純正のホイールナットは「座面の形状」と「ネジのピッチ」がそれぞれ違います。社外ホイールはテーパー座がほとんどのため、トヨタとホンダ車以外ならば純正ホイールナットが使える可能性があります。

しかし、加えて頭の大きさ(六角面幅の大きさ)が交換する社外ホイール側には入らない場合もあります。ナットは入っても工具が入らないケースもあります。そのため、社外ホイールを選ぶ際にはホイールナットも一緒に購入したほうが無難です。

社外ホイールのナット選び

  • 社外ホイールのほとんどはテーパー座
  • トヨタ車とホンダ車は別途ホイールナットを用意する必要がある
  • テーパー座のホイールナットにはネジのピッチが2種類ある

補足

ホイールナットで多く利用されている順番

カスタムパーツの一部にもなるホイールナットは、社外製品も数多くあります。しかし、そのほとんどはテーパーナットになります。トヨタとホンダ車の純正ホイールに装着できる社外ナットの選択肢はほとんどありません。

ただし、国産メーカーのほとんどがテーパーナットといっても、国内の自動車のシェアから言ってトヨタ車が圧倒的なため、平面座が多いことも事実です。
社外ホイールの場合はほとんどはテーパーナットであることから、国内で使用されているナットの種類順ランキングでは以下のようになります。

国内で使用されるホイルナット順

  1. テーパーナット(M12xP1.5)
  2. テーパーナット(M12xP1.25)
  3. 平面座
  4. 球面座

テーパーナットの中でもサイズ違いや長さ(高さ)、大きさ(外径)違いで、ホイールのナットが収まる部分に入らない場合もあります。入っても工具が入らないなど、専用の薄型ボックスレンチを使用しなければならないこともあります。

平面座と球面座は紛失に注意

トヨタ車とホンダ車の方に注意していただきたいことが、純正ホイールナットである、トヨタの平面座とホンダの球面座は、それぞれのディーラーには在庫を置いていないことがほとんどです。

入手しにくい純正ホイールナットの種類

「ホイールナットを無くすことはない」ことが前提でもあり、普段では需要がない代物です。ちなみにオートバックスなどのカー用品店には特に平面座の純正代替ナットは置いていません。テーパーナットはいくらでも揃います。

紛失の際にディーラーに行っても、たまたまメカニックの方が持っていたホイールナットを分けてもらうことなどの対応しか過去になかったと聞く程度です。

長期休暇中などでホイールをDIYで交換し、ナットが無くなったことに気付いても、そう簡単に手に入れることは難しいためご注意ください。(紛失することもほとんどありませんが、念のため)

ナット形状ではなくボルトタイプも採用が進むかも?

2020年秋にマイナーチェンジするレクサスISでは、ホイールナットからボルトに変更されます。ナットタイプは車体からハブボルトが飛び出ていますので、そのボルトに目掛けてホイールのナット穴を差し込んでいましたが、ボルトタイプであれば、その面倒さはありません。
5か所以上あるホイールの穴に、車体のハブボルトを全て通すには慣れていない方には不便な作業ではあります。

ナットではなくボルト形状になったレクサスIS

しかし、今度は穴の奥にあるネジ穴を探りながらホイールボルトをねじ込んでいく作業になり、それは手間になります。
どちらかを優先すればどこかに副作用が出るといったジレンマですが、ボルトを締める前にホイールが落ちやすくなる可能性はあるので、ホイールチェンジャーなどを利用するディーラーやホイール・タイヤ専門店、整備工場などでは心配ありませんが、自分で交換するような場合は少し注意が必要です。

ナットかボルトでのホイール脱着時作業性の違い

  • 現在主流のホイールナットの場合
    →ホイールの穴に車体側のハブボルトを全て合わせるのが大変
  • ホイール(ハブ)ボルトの場合
    →ホイールのセットは楽になるが、奥まったネジ穴を探すのは困難

今後はボルトタイプが主流になる?

レクサスがボルトタイプを利用することで、今後のレクサスとトヨタ系の自動車から始まって、ホイールの締結には(ハブ)ボルトタイプが広まるのか?と疑問を持つこともあるかと思います。

レクサスは新型ISのホイール締結をハブボルトにした理由として、以下のように述べています。

「ホイールの締結にハブボルトを採用し、締結力の強化と質量の低減を図ることで、気持ちの良いハンドリングとブレーキングを実現しました。」

レクサスプレスリリース「 LEXUS、新型「IS」を世界初公開 」より

新型(マイナーチェンジ)ISのホイールの締結座面は「テーパー座」になっているようなので、他の車両にも流用装着はできるはずです。テーパー座になる理由としては、ISユーザーが社外ホイールに変更する際に、純正ハブボルトが使えるように合わせているのではないかとの推測からだけです。

いずれも、ホイールの締結はナットタイプが一般的ではあるものの、その中でも主流がテーパー座です。
一方、トヨタ独自で採用する「平面座」は他のタイプに比べ大きくて重いデメリットがあります。その点を解消できることと標準化のために、レクサスは今後ハブボルト化が進む可能性が高いと予想します。

ハブボルト化へのメリットは、トヨタ・レクサスが採用してきたホイールナットの平面座が、大きくて重いためだと考えられます。
そのため、他社ではホイール締結のボルト化が進むことは無いと予想されます。

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