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純正カーオーディオの音質向上 ツイーター埋め込み作業手順

ツイーター取り付け方法

カーオーディオの中でも小さいながらも車内の音質を大幅にアップする「ツイーター」は、高音だけを発するスピーカーです。その大きさはとても小さいものですが、ツイーターを付ける前と後ではカーオーディオに全く興味の無い人でも、その違いの差が歴然に分かります。

ツイーターの効果を簡単に試すには、ツイーターが装着されている車でオーディオのボリュームを上げてから左右のツイーターを手で塞いでみてください。その後に手を離せば音のクリア感が一気に増すことを感じられるはずです。

ツイーターを埋め込んで取付する
ツイーターを埋め込んで装着する

純正スピーカーはそのまま利用しながらツイーターを後付けで追加する、「カーオーディオの音質向上に効果の絶大なツイーターを埋め込んで装着する方法」を紹介していきます。

近年の軽自動車の純正スピーカー事情

N-BOX Customの標準装備ツイーター
N-BOX Customの標準装備ツイーター

特に軽自動車はあれだけ高額にもなったものの、そのほとんどがツイーターは標準装備ではなく、オプション設定でスピーカーとセットになってきます。最近ではようやく(ホンダ系では)新型のN-BOXカスタムが標準装備となって、ツイーターがドアハンドルに装備されている程度です。ツイーターが標準装備されている軽自動車はまだまだ少ないとも言えます。

ツイーターは単体で後から追加できるものですし、純正スピーカー自体は大きさもあり低音もそれなりに強く出ますので、ツイーターだけ追加する方が安く済み、カーオーディオの音質向上には大きな費用対効果のあるものです。カーオーディオメーカー品でも1万円はしない程度です。

後付けツイーターの取り付け位置

LEXUS NXの後部ドア埋め込みツイーター
参考)標準装備のドアに埋め込まれたツイーター

純正スピーカーは左右のドアに入っていますが、そのほとんどは足元になってしまいます。その足元位置の問題もあって、どうしても全体の音場が上には上がってこられず、高音が足りなくなっています。そこで耳元の位置近くに設置するツイーターの効果が発揮されます。

その多くはダッシュボードに置いたり、Aピラー裏に設置することが多いのですが、近年では軽自動車でも事情が異なってきています。(相対的に普通自動車にはツイーターが標準装備されてることが 比較的多いため、前提として軽自動車にスポットしています)

ダッシュボード上、Aピラーに設置する場合のデメリット

  • ダッシュボード上は穴あけしない限りは配線が見える。
  • Aピラーには近年エアバッグがある車輛も多くなってきたので、事故の際の危険性が上がった。
  • オーディオ(ナビ)パネル周辺からの左右への配線取り回しが面倒

ドアの上に設置がベスト

ツイーター取付候補位置

これらのことから、ドアの純正スピーカー裏の配線から分岐して、その上側に配置するのが理想的で配線も簡素化しやすくなる。しかし、やはり穴を空けなければ配線も通せないし固定もできない。また、垂直方向に取りつけるようになりやすいため、ツイーターの高さ分の飛び出しが強くなり邪魔になりやすくなります。

また、ドアミラーを固定している三角コーナー樹脂カバーにツイーターを装着するのもお勧めしますが、その場合はスペースが少ないため埋め込み装着方法には向かないことが多いです。

そこで、ツイーターの装着方法として理想的な「後付け感が無いように」「配線が見えないように」としたいので「ツイーターを埋め込んで装着する作業手順」として紹介していきます。

ツイーターは耳元近くが最適
N-WGNカスタムに取り付けたツイーター

作業した車両はホンダ N-WGN CUSTOM(エヌワゴン カスタム)です。新型が発売となっていますが、この作業紹介では前のモデルのJH1/2型となっています。

装着作業準備(埋め込みツイーター)

装着するツイーター

最も安いのでは?と思う、後付けツイーターのオートバックス製品でVSP-03Tす。これを選んでいる理由は以下の点からとなります。

  • とても安い(実に2,000円しない)
  • ツイーター性能は高級品でも大きな違いは一般の方には感じにくい
  • 限りなく加飾のないデザインであること。
  • 入手しやすいこと。(この記事を見て同じように作業できるように)
オートバックスのツイーターパッケージ正面
埋め込み、据え置きに対応するキットが含まれています。
オートバックスのツイーターパッケージ裏面
説明書はパッケージ裏側

一般的なツイーターキットと同様に、装着に関する部品類は全て含まれています。あとは車輛ごとに異なる取付方法によって工具が必要にはなってきます。

なお、このキット内の【ネットワークケーブル】にはクロスオーバー(高音だけに分配する装置)が付いてますので、必ず付属のネットワークケーブルは使用してください。延長ケーブルだけの機能ではありません。

作業で用意した工具類

ツイーターの取り付けに用意した工具類
今回の作業で使用した工具類

埋め込みツイーターの取り付けに使用した工具一覧

名称 備考
マスキングテープ サイズ確認用に使用
コンパス 穴あけサイズを下書き
カッターナイフ 仕上げなどに使用
自由錐(サークルカッター) 大きい穴あけに必要
鉛筆 赤を使って注意など書き込んでおく
プラスドライバー 2番が妥当
六角ボックスレンチ スピーカーの頭ネジ外し用(+ドライバーでも可)
内張り剥がし ドアトリムを外す際にあれば便利
ニッパー 配線のカットなどに使用
プライヤー 結線コネクターに使用
グルーガン ここではツイーターの固定に使用した
電動ドリルドライバー スピードコントロール付きが望ましい

「自由錐(ジユウギリ・ジザイギリ)」(サークルカッター)と呼ばれる穴あけ工具だけ少し特殊です。これはホームセンターで入手可能です。建築用の超硬チップが望ましいです。木工用だと心細いです。

ツイーターの埋め込み装着作業手順

取り付けする位置決め

ツイーター取付候補位置ドアハンドル
①か②が最適か

オートバックス製品のツイーターは埋め込みの場合、内径46㎜の穴が必要になります。46㎜が確保できでも、それは穴径だけのことで、更にその外側につくトリムスペーサーの最大外径が54㎜あるため、54㎜の円が入るところとなると、この2つが候補に挙がります。

但し、②の位置は裏側にドアロックの機構があるので邪魔させたくないことと、少しだけ②の面が平面ではなく曲面になっていたため、平面性が高い①が最適な位置になってきます。

N-WGN「カスタム」の場合、加飾パネルがあります。カスタムでないスタンダードモデルにはドアハンドル周辺には加飾パネルが無いため、この②位置はドアトリムになっています。「N-WGNカスタム」はこの加飾パネルのおかげで、ツイーターの厚みが吸収されます。恐らくスタンダードモデルのN-WGNでは、②の位置に取り付けるためには、ドアの鉄板にも穴を空ける必要があります。

ドアの内張り剥がし

ツイーターの穴あけは、一旦ドアトリムを外してから行います。そのため、ドアの内装となる内張りトリムを外す必要があります。ドアトリムの外し方は多くの方が紹介していますので、そちらを参考にしてください。手順は以下のようになります。

  1. ミラー裏を隠している三角のコーナートリム(樹脂)を外す。
  2. ドアハンドルのネジを外す。
  3. ドアポケットのネジを外す。
  4. 内張り剥がしを利用してドアトリム全体を外す、剥がす(クリップでハマっているだけ)
  5. ドアロック、ウインドウスイッチ裏の配線コネクタを外す(2箇所か1箇所)

マスキングテープで穴位置の確認

取り外したドアトリムの加飾パネルにマスキングテープを貼って、穴を空ける位置を下書きしておきます。内側の円が46mmで外の円が57mmなります。

ツイーター取付穴下書き
内側の円と外側のリングを下書き

穴あけ

ここで使用するツイーターに必要な穴の直径は46㎜になります。
ドリルではそんなに大きな穴を空けることはできませんので、ホールソーや 自由錐(サークルカッター)を使用します。

ホールソーでは5㎜単位が多いので45㎜で空けても足りないですし50㎜は使いたくありません。そこで直径が自由に変更できるサークルカッター、自在錐(ジザイキリ)・自由錐(ジユウキリ)を使って、ツイーターを埋め込む穴をあけていきます。

自由錐(サークルカッター)を使う場合は、周りに注意してゆっくり回し始めてください。電動ドリルは確実にスピードコントロール付きで作業してください。自由錐の場合はくり抜くような加工になります。

ツイーター取付穴あけ
自由錐を使って穴をあける

穴あけ時に最後の穴が空けきるとき(貫通するとき)は、特に注意してください。自由錐は引っ掛かりやすいので、電動ドリルのトルククラッチが設定できるなら弱めに設定しておいてください。

加飾パネル側の穴あけ

自由錐は空けるというよりも、くり抜く感じで穴があきます。作業は慎重に行ってください。

面取りは不要ですがバリ取りツールを使ってさらりと円の内周をさらうと綺麗に仕上がります。

装飾パネルの穴あけ
装飾パネル側の穴が空いた

奥のドアトリム側にも穴をあける

加飾パネルの穴が空いたら、余分な部分を取り除き、中心の穴を使ってもう一度、ドアトリムのベースをくり抜いていきます。※これはN-WGNカスタムの場合になります。

ドアトリムの穴あけ
ドアトリムも穴が空いた

裏側から見た状態

N-WGNカスタムには加飾パネルを裏から固定するためのボス(突起)があるため、穴位置は被ってしまいます。この部分は仕方ないので、そのまま突き抜けて穴を空けています。

ドアトリムの裏側から見た穴
ドアトリムの裏側から見た穴

仮付けしてみる

予定通りに穴が加工できていれば、このようにツイーターがスッポリと入る形になります。マスキングテープはこの時まではがさず、傷防止のためにも貼ったまま穴あけ作業してください。

ツイーターを穴に仮付け
ツイーターを穴に差し込んだ状態

ツイーターの固定

キットに用には埋め込み取付用の固定リングが付属されていますが、純正の加飾パネルの厚みによって、固定リングがハマりません。ドアトリムの裏側に加飾パネルの固定用のボスなどもあるため、いずれにしても入りません。そのため、グルーガンで固定します。

ツイーター埋め込み

グルーガンで裏から埋めていく

熱で溶かして接着するお馴染みのグルーガンで隙間を埋めるように固定接着してしまいます。

ツイーター埋め込み グルーガンで固定

純正スピーカーの配線に割り込み配線

ツイーターの配線は、純正スピーカーに接続されているスピーカー配線のプラスとマイナスにツイーターのプラスとマイナスを各々接続します。キットには(赤い)結線コネクタが付属されいますので、それを利用します。

結線コネクタは繋げたい配線同士を2本並べてプライヤを使って交互にカシめて接続します。

純正スピーカーを外す

N-WGNのスピーカーは上部に1か所ボルトで固定されています。ボルトを外したらスピーカーの下から上に持ち上げるようにズラすと外れます。両面タイプのクッションテープで貼り付いているため、少し力が必要です。

ホンダN-WGNのスピーカー取り外し方
ボルトを外してからスピーカーを持ち上げて外す

ネットワークケーブルを接続する

付属品のネットワークケーブルを赤色の結線コネクターで純正スピーカー裏の配線に接続します。ネットワークケーブルはクロスオーバー( ハイパスフィルター )で高音しか鳴らなくしますので、必ず使用して配線してください。

ホンダN-WGNのスピーカー穴 左 助手席
エヌワゴンは青が左スピーカーの+です。

余った配線処理

少し長めに設定されているネットワークケーブルをそのまま適当にドア内部に突っ込んでおくと、走行中にピチピチ音が出る場合もありますので束ねて巻き付けておきましょう。余計な長さは結線時にカットしておいてもOKですが、ツイーター側にはドアトリムを装着する際にある程度の余裕が必要なので、完全に余分になる長さが分かってからカットする必要はあります。

ホンダN-WGNのスピーカー穴配線

ネットワークケーブルとツイーターとの接続

ツイーターが取り付けできたドアトリムを戻すときに、ツイーターとネットワークケーブルを平型ギボシ部で接続します。

ここは平ギボシで接続するだけです。色は間違えてもオスメス形状が違うため接続できないだけなので、純正スピーカーの配線(プラスとマイナス)が間違っていなければ問題ありません。

ツイーターとネットワークケーブル接続

ドアトリムを戻して装着完了

あえてツイーターの位置は矢印で示していませんが、画像上は右側にツイーターを埋め込んだ状態で装着が完了しています。

質感が違うので若干ずっと見てると違和感も生じてきますが、ツイーター自身に加飾がないため、装着前を知らない人には最初から付いているものだと思われるほどになっています。

ツイーターの装着完了

今回のN-WGNカスタムでは穴あけ作業さえこなせれば、このような取付方法が可能です。ちなみにN-ONE(エヌワン)はドアの鉄板側に穴を空ける必要があります。( エヌワンに取り付ける方法はこちらを参考に
また、旧型N-BOXは今回の作業と同じような位置に取付できそうです。

劇的に音質アップするツイーター

車輛の所有者(カーオーディオには無知な方)に【純正スピーカー】+【ツイーター】の組み合わせで普段から聞いている音楽を流してもらったところ、「クリアーになった」「ボーカルがハッキリ聞こえる」など、その違いは歴然に感じてもらえました。最初どこにツイーターが設置されているかも気付かなかったほどです。これは埋め込みならではの装着感が◎効果です。

安価なツイーターでも十分に純正スピーカーでも大きな効果を発揮します。ツイーターがあるか無しかの違いだけです。 道具さえそろえば DIYでも作業は比較的簡単にできます。この時期、時間が余っている方にDIYで装着チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

装着作業時間と工賃の参考

ここでの作業には左右のドアで約3時間を要しています。道具を作業しながら揃えたり、写真を撮りながらとなりますので、作業が頭に入っていれば2時間程度で完了すると思います。

これをディーラーや用品店に依頼すると工賃だけで1万円前後必要になってくると思います。(ここでの作業と同じ埋め込みN-WGNカスタムの場合)

2,000円以下のツイーターを買っても、工賃の方が数倍高いのも少し気が引けますので、やはりDIYでチャレンジしていただきたいための作業紹介になります。

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この記事はalumania(アルマニア)のスタッフによって調査・検証して投稿されています。
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