「乗り物」を大きく分けた3種類、クルマ(自動車)・バイク・自転車(チャリンコ)の、それぞれのタイヤの中には特殊なタイプを除いて空気が入っています。
その空気を入れるための弁または開閉バルブとして、必ずホイールやリム側に装着されているのが、タイヤバルブです。そのタイヤバルブは乗り物別で大きく分かれる3種類の形状違いがあります。
タイヤバルブは、エアバルブ、タイヤバルブやホイールバルブ、または空気弁などと様々な言われ方をしますが、正式にはJISで規格されており、規格名称としては「タイヤバルブ」です。ここでは代表して「タイヤバルブ」で統一して呼んでいきます。
このタイヤバルブの3種類は、米式・英式・仏式となります。文字から読み取ればアメリカ式、イギリス式、フランス式になりまして、どれもそれほど変わらない大きさで、見た目は頭の形状違いだけなので、どれがどれなのか分かりにくいものではあります。まずはその形状を並べて違いを見ていきます。
乗り物のタイヤバルブの種類(形状違い)は3種類
- 米式(アメリカ)
- 英式(イギリス)
- 仏式(フランス)
タイヤバルブの違いを分かりにくくしているが、米式・英式・仏式と漢字一文字の違いで表されてしまうため、漢字からだけでは形状すらも連想できません。
文字だけが並んでしまうため、「自分のクルマのタイヤバルブって何式だっけ?」と耳にすることがあります。そこでタイヤの「タイヤバルブの種類」と主に使用されている「乗り物別」に分けて整理しましたので紹介していきます。
なお、自動車と自転車も漢字では認識しにくいため便宜上、一部「自動車」は【クルマ】 「自転車」は【チャリンコ】 としても呼称しています。
種類別の違いと特徴 早見表
タイヤバルブの場合は乗り物の種類(クルマ・バイク・チャリンコ)で使用されているタイヤバルブの種類が分けられます。それぞれの形状を紹介する前に形式別の特徴を表にまとめておきます。
項目 | 米式 | 英式 | 仏式 | |
---|---|---|---|---|
記号 | A(BAM,BAR) | E(BAM,BAR) | F(BFM,BFR) | |
シール構造 | 弁パッキン | 虫ゴム | 胴パッキン | |
主な乗り物 | クルマ | 米式 | × | × |
バイク | 米式 | × | × | |
自転車 | マウンテンバイクなど | 基本は英式 | ロードレース用など一部 | |
主ネジサイズ | 5/16"-32UNEF | CTV8山30 | 6V1 | |
重量順 | 1 | 2 | 3 | |
入手しやすさ | ◎ | ◎ | × | |
耐久性 | 1 | 2 | 3 | |
空気の入れやすさ | × 高圧必要でガソリンスタンドなど |
◎ 手押しの空気入れで可 |
△ 差し込み口が合わない |
|
耐圧力 | ◎ | △ | ◎ |
米・英・仏 の形状違い
3種類の形状は自転車(チャリンコ)では全ての種類が利用されているため、ここではチャリンコ版の米・英・仏 で3種類の形状を見ていきます。
米式タイヤバルブの形状
クルマとバイクが主で一部のマウンテンバイクで利用されます。
あらゆる巷を走っている一般のクルマ、バイクもチューブ車だろうがチューブレスであっても、ホイールから飛び出している頭の規格は全ては米式です。タイヤバルブ自身の形状が異なるものもありますが、とにかく米式です。これは日本のJIS規格(JISD4207)でも定義されています。
JISの詳細を確認したい場合は、リンククリック後に「D4207」と入力して検索してください。
一部のチャリンコ(自転車)では、マウンテンバイクなどの悪路向きに多いサイドウォール(タイヤの高さ)が大きいダートユース的なタイヤ向けに「米式」が利用されていることが多くなっています。
自動車・バイク用のタイヤバルブ
同じ米式でも、クルマとバイク用はネジサイズが同じというだけで、ベースのゴム部分から用途が異なりますので、クルマ用の米式タイヤバルブが自転車にも使えるという意味ではありません。
自動車やバイクのチューブレスホイールにはスナップインバルブが主流です。
英式バルブの形状
国産自転車で最も多いのが英式
日本で走ってるチャリンコ(自転車)は基本的には英式です。日本メーカーのチャリンコであればJIS規格( JISD9422 )でも定義されているため虫ゴムが入った英式タイプが採用されています。
JISの詳細を確認したい場合は、リンククリック後に「D9422」と入力して検索してください。
少しややこしいのですが、自転車は種類も多く輸入品も多いので、基本は英式なのですが、米式も仏式も混在しています。特に米式はマウンテンバイクで多くみられますので、多少種類が違うタイヤバルブを見かけるときはあります。
基本的には自転車のほとんどは英式です。
仏式タイヤバルブ
一部の自転車だけで使用されています。
仏式バルブは虫ゴムを持たないタイプで少し米式に似ています。軽くて高圧ですが壊れやすいのがポイントです。
そのため接地面積を少なくできる(自転車の)ロードレース車などに採用されているため、仏式は日本では一般の人が目にすることはほとんどないものでもあります。
乗り物別で限定されるタイヤバルブの種類
乗り物として、クルマ・バイク・自転車で分けると使用されるタイヤバルブは自転車(チャリンコ)以外は限定できます。
一言でいえば、
「自動車とバイクは米式、自転車は英式」
たったこれだけです。
米式、英式などの何式までも覚えておく必要もありません。タイヤバルブは日本では大きい順で考えて言い方を変えれば、
「自動車とバイクは同じ、自転車(チャリンコ)は別」
これだけで良いと思います。
なお、 各々に互換性はありませんので、虫ゴムやバルブキャップ、バルブコアなどの部品類は相互に利用できません。
クルマとバイクは「米式」タイヤバルブのみ
クルマとバイクで使用されているバルブの種類は米式しかありません。
自転車の「英式」タイヤバルブ
自転車は英式が主です。一部米式がありますが仏式はほとんど見られません。
全てのタイヤバルブは日本のネジサイズと異なります
米式、英式というだけあって、ネジサイズは日本の規格と異なります。米式のネジサイズ( 5/16″-32UNEF )をM表記で無理やり表せば【M7.7xP0.794】となります。
バルブコアが入っているオスのバルブステム側は、外が8V1(M7.7xP0.794)、バルブコアの内壁ネジは5V1(M5.2xP0.705)です。
時折「自動車のバルブはM8だ!」という方がいらっしゃいますが、日本のネジとは互換性はありませんので騙されないように。M8のナットを突っ込んだり、ネジ山を修正したくてM8のダイスを通してもネジ山をつぶして壊してしまうだけなのでご注意ください。
乗り物別のタイヤバルブ違いのまとめ
タイヤバルブとも呼ばれやすい、ホイールに取り付けられている空気を入れる弁になっている「タイヤバルブ」は3種類で、乗り物別に大半が分かれることが分かったと思います。
- 自動車(クルマ)は「米式」
- バイクは「米式」
- 自転車は「英式」※米式と仏式も一部あり
- タイヤバルブのネジは日本のネジ規格と異なる。
この記事は機械加工の中でもアルミフルビレット技術を駆使して独自の観点によって「独創性のアイテム」を造り出す、alumania(アルマニア)の専門スタッフにより執筆されています。
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