自動車用のタイヤホイール選びで自分のクルマに取付できるサイズを見ていると、PCD100とかPCD114.3と表されている部分があります。
この「PCD」は、正式には「P.C.D.」でドットを記載するべきですが、大抵はドットが省略されて「PCD100やPCD114.3」と記載されてあることがほとんどです。
PCDってなに?
PCD(P.C.D.)とは、自動車用ホイールの場合はホイールナットの中心を通る直径寸法のことを表しています。
国産車(乗用車)であれば「PCD100」か「PCD114.3」のどちらかを見ることがほとんどです。数字は単位がmm(ミリ)の寸法値を表しています。
P.C.D.=Pitch Circle Diameter
PCDをイラストで表すと以下のようになります。ホイールの場合は「PCD114.3 5H」を記載されていれば、5か所の「穴が均等な角度で並んでいる直径寸法」になります。各穴の中心を通る直径です。
穴の中心を通る直径がP.C.D.
ホイールの断面から見るJIS規格(JIS D4102)で言えば5番の「ボルト穴ピッチ円直径」にあたります。これをP.C.D.(PCD)と便宜上省略した記載で表しています。
より具体的に実際のホイールの上で説明するとこのようになります。ハブナット(ホイールナット)の中心を通る直径寸法です。
自分の車はPCD100とPCD114.3どちらか?
自分の車 (国産乗用車) のP.C.D.を知るためには、5穴の場合は対角線上に穴が配置されませんので、ものさしやノギスを当てただけでは分かりません。自動車情報サイトのSpec Tankなどから検索する方が正確で早いと思います。
ただ、簡単な判別方法としては、傾向としてハブナット(ホイールナット)の数でP.C.D.違いの傾向がありますので、ほとんどは以下のように分けられます。
- P.C.D.114.3 → 主に5穴、6穴に多い
- P.C.D.100 → 4穴に多い
これ以外にも輸入車などではP.C.D.112が多くあります。国産の一般乗用車クラスでは基本的にどちらかになります。なお、FITやAQUAなどのコンパクトカーや軽自動車は4穴( P.C.D.100 )でPRIUSやVESELクラス以上が5穴( P.C.D.114.3) と分かれ目はそのあたりです。
なぜ「114.3」という変な数値なのか?
114.3㎜はインチ換算で4.5インチです。(4.5×25.4=114.3)
ここからも分かるようにインチを用いた海外規格サイズが根付いていることになります。また100㎜は100/25.4で3.93インチとキリの悪い数字ですから、100㎜はメートル法を主に使用する国で確立されたものになってきます。これは日本が最初だったかは諸説あり正確には分かりません。
いずれも一度決まってしまうと、特に問題が無いとそのまま継続されてしまいますので、今後もこの2種類は存在していくことになります。
社外アルミホイールをネットで購入するときは車種選択から開始しましょう。
ネットで社外ホイールを購入する場合、2強の「西のマルゼン」さんか「東のFUJI」さんであれば車種選択から進めば、自分の車のP.C.D.を確認する(考える)必要はありませんが、ホイールから選んでしまうとホイールナット数やP.C.D.、オフセットなど選択する必要が出てきますので大変面倒で混乱しがちになります。
そのため、何も考えずに進められる、装着車輛の選択から入っていきましょう。
マルゼンさんかFUJIさんのホームページからは車種選択で選択された車種の情報が反映されて装着できるホイールのみが自動で絞り込まれますので大変便利です。
図面にもP.C.D.は利用されます。
P.C.D.(PCD)は自動車用ホイール以外でも数多くの機械加工図面でも同じ表記が可能です。その場合もPCDと記入する方が多いのですが、正しくは 「P.C.D.」です。
45㎜の直径中心に配置された6個の5㎜の穴と、36mmの中心径に配置された3か所の1.5㎜の穴を図面で表す時はこれで足ります。穴の径と数量も一緒に記載しましょう。
2種類の穴が配置された表記例
配置された穴の角度については、均等に配置されていることがP.C.D.の条件になりますので、1.5㎜の穴は3っつしかありませんので、配置の角度は360° / 3=120°と指示しなくても導かれます。
P.C.D.で表記すれば図面が大変シンプルで見易くなるため、よく用いられる表記方法になります。そしてこれが自動車用ホイールのP.C.D.(PCD)と同じ意味になって用いられています。
この記事は機械加工の中でもアルミフルビレット技術を駆使して独自の観点によって「独創性のアイテム」を造り出す、alumania(アルマニア)の専門スタッフにより執筆されています。
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