ジムニー、シエラ(JB64/JB74)の車体背面側にあるタイヤは飾りではなく、実際に走行中にパンクした際に交換できるスペアタイヤとなっています。
これ自体がジムニーの4駆らしさを象徴するフォルムには欠かせない部分でもあります。
オフロードにめっぽう強いジムニー/シエラではありますが、実際には大半の方がSUVのようなシティーユースではあります。
そのため、タイヤがパンクしたとしても、実際にスペアタイヤを車体から外してスペアタイヤに交換するようなことに遭遇することもまずありません。(近くのGSなどで修理できてしまうため)
マニュアル(説明書)には、当然スペアタイヤの取り外し手順は記載してありますが、イラストのみのため、実際に作業してみない限り分かりにくい部分もあります。
そこで、実際の車体画像を用意して、ジムニーのスペアタイヤを取り外す(取り付け)手順としてご紹介していきます。

スペアタイヤの取り外しは、バックドアを開いてラゲージ内(フロア下)のカーペットをめくると車載工具があります。
車載工具の中にある「ホイールナットレンチ」だけを使用して外すことができます。
車載工具としては、その他にもタイヤ交換のために車体を浮かせるジャッキと、そのジャッキを回すジャッキバー(アーム)が収まっています。

(グレードによってはボックスも外します)
スペアタイヤを取り外す作業では、室内後方のラゲージ内にある車載工具の中でも「ホイールナットレンチ」を使用しますので、最初に取り出しておきます。
ジムニーのスペアタイヤ取り外し手順
まず、最初に簡単な手順を記載しておきます。
- スペアタイヤカバーの取り外す
- ブラケット(ホルダー)の取り外す
- スペアタイヤをキャリアから取り外す
- アンダーカバーを取り外す
この順に従ってより詳細に説明していきます。
手順1:スペアタイヤカバーの取り外し

背面スペアタイヤの中心にある、樹脂(プラスチック)のスペアタイヤカバーを外します。
スペアタイヤカバーは中心に袋ナット1箇所で固定されていますので、それを取り外す必要があります。
このナットは車載工具のホイールナットレンチで外すことができます。
なお、この袋ナットは六角対面19mmです。
手順2:ブラケット(ホルダー)の取り外し

手順1でスペアタイヤカバーを取り外すと、内部に現れるブラケット(スペアタイヤカバーを固定させるためのホルダー)を取り外します。
3箇所に貫通式の六角ナットで固定されていますので、3か所の六角ナットのみを緩めてブラケットを外します。
こちらも車載工具のホイールナットレンチで緩めることができます。この六角ナットも対辺19mmです。
この時点でまだスペアタイヤは外さないようにしておいてください。
手順3:スペアタイヤをキャリアから取り外す
スペアタイヤを車体から外す際に注意が必要です。
手順2で貫通ナット(ブラケット)を外していますので、スペアタイヤは3箇所でボルトに刺さっている状態です。

このまま後方に向けて一気に引き抜くのではなく、一旦、スペアタイヤを上側を支点にするイメージで下から振り子のように持ち上げて、下部2か所のボルトを外しておくのが正しい手順になります。

一気にスペアタイヤをキャリアから引き抜いてしまうと、上部のボルト1箇所は奥のタイヤキャリアに組み込まれているスプリングによって、大きな音と共に、一気にボルト部が上方向に向けて立ち上がってしまいます。
上1箇所は上部方向に、下2か所は重力で下に可倒する特殊なタイヤキャリアになっています。

そのため、必ずスペアタイヤの下を持ち上げて、下側2か所のボルト部分を下ろし、最後に上部のボルトからスペアタイヤを引き抜いてあげてください。必要に応じて下の2か所のボルト部をスペアタイヤの裏から手を当てて、支えながら作業すると更に安心です。
上部1箇所はスペアタイヤが固定されている位置から更には下に倒れない構造ですが、ジムニーのスペアタイヤブラケットの下2か所のボルト箇所は重力で下に向けて可倒します。スプリングは無いのでゆっくり落ちます。
自然に落ちなければ、ボルト部分が穴に引っかかっている状態です。スペアタイヤの裏側に手を当てて、可倒部を落としてボルト部を外してください。
また、スペアタイヤといっても重量が18kgほどあります。車体から外す際に荷重が抜けると一気に手に重量がかかりますので、両手を広げてスペアタイヤ全体を持って作業してください。
手順4:アンダーカバーの取り外し
車体(キャリア)から外したら、まずは一安心ですが、まだ、スペアタイヤには樹脂製のアンダーカバーが装着されている状態です。
パンクしたタイヤと交換して利用する場合、このアンダーカバーも取り外す必要があります。

アンダーカバーはホイール部に爪2か所でハマっている状態です。これを引き上げて穴から外してあげます。
指で引き上げてあげれば爪部を穴から外すことはできますが、結構な力は必要です。

この爪部2か所が外せたらアンダーカバーを外すことができます。
これでパンクした際などで交換用のスペアタイヤとして利用できる状態としては完了です。

スペアタイヤ(アンダーカバー)を取り外したら、タイヤ交換手順は他の自動車と同様です。
一時的にスペアタイヤを利用した場合は荷室が許す限り、パンクしたタイヤはそのまま荷室に突っ込んでおく方が得策です。
スペアタイヤを車体側に戻す(装着する)時の手順
ここまでの作業をご自分で作業された方なら、取り外し手順の逆で進めば取付できる事は容易かとは思いますが、一つだけ面倒な箇所があります。
キャリアの上部ボルトはスペアタイヤを戻す前に後方に倒して固定しておく必要があります。
この固定には車載工具のホイールナットレンチを差し込んでボルトを倒した状態で維持させます。
取り付け時は作業手順が異なります。
取り外し手順を順にみていただくと、スペアタイヤの装着時は作業の逆の手順のように思えるかもしれませんが、取り付け時はキャリアのボルトを固定する作業が加わります。
そのため、以下の順番が取り付け時の手順となり、逆の作業に手順が異なります。
- スペアタイヤにアンダーカバーを取り付ける
- キャリアの上部ボルトを倒す(固定する)
- 固定した上部ボルトにスペアタイヤを差し込む
- スペアタイヤを下から持ち上げて倒しながら、下部2か所の一体ボルトをホイールのナット穴に通す
- ブラケット(ホルダー)を通してナット3か所を締め付ける
- タイヤカバーをナットで固定する
上部ボルトを固定する
この作業だけ、取り外し時には無い作業のため、ここに記載しておきます。
また、この作業はスペアタイヤをキャリアに装着する前に必ず行っておく作業です。

上部のボルト固定(倒しておく)の作業手順
①車載工具のホイールナットレンチを上部ボルト下の穴に差し込む
②レンチを90度倒す
③キャリア穴を合致するので、奥までレンチを差し込む
この手順で上部ボルトが倒して固定される状態になります。
この後にスペアタイヤを取り付けますが、アンダーカバーの中心穴にホイールナットレンチを通してあげる必要がありますので、これもなかなか面倒です。

ホイールナットレンチはL字に曲がっていますので、ホイールナットレンチの先からアンダーカバーの中心を通して、ホイールの穴に固定した上部1箇所のボルトを通して一旦落ち着きます。
その後に、キャリアの下側2か所(可倒式)のボルトを裏側から持ち上げて(立ち上げて)下の2か所のホイール穴に通します。

これでキャリアの3か所のボルトにスペアタイヤが通せた状態になりますので、あとは作業の逆の手順で各部品を取り付けしていきます。
スペアタイヤの取り外し、取り付けは一人で作業するしかないケースも多いかもしれませんが、やはり二人で作業できるのが最良です。

3箇所のボルトが通せたら、ここで車載工具のホイールナットレンチを引き抜きます。
ボルトで支えられているので簡単に引き抜くことができます。
ボルトが奥までスペアホイールに刺さっている状態なら、ひとまず安全なので、この後に外してあったブラケットを差し込んでナットで固定します。
最後にホイールカバーを装着して完了です。
ジムニーのスペアタイヤ取り外しと取り付け手順のまとめ

一般的な乗用車のように、ラゲッジのフロア下に配置されいるようなスペアタイヤであれば持ち上げるときにタイヤの重量感を感じることができます。
しかしながら、車体垂直方向(縦)に配置されているジムニー、シエラのスペアタイヤを取り外すのは勝手が異なります。
ジムニーの特殊とも言える背面タイヤの固定方法は、事前に作業手順を把握していないと危険も伴います。
特殊ゆえに、スペアタイヤへの交換はスペアタイヤを外すだけでもかなり面倒な作業です。
なかなかスペアタイヤの交換作業を行うようなことは無いとは思いますが、そのような場合に遭遇しすれば、焦って作業することになりますと、怪我しやすいので大変です。
そのため、一度はスペアタイヤの取り外し手順を試しておくのが最良です。
ジムニー、シエラのスペアタイヤ交換はスペアタイヤを取り外すだけでも、なかなかの手間がありますので、本記事がいざという時の参考になればと思います。

この記事は機械加工の中でもアルミフルビレット技術を駆使して独自の観点によって「独創性のアイテム」を造り出す、alumania(アルマニア)の専門スタッフにより執筆されています。
この記事の前後リンク
- 個人情報やプライバシーを侵害するような情報
- 閲覧される他の方に不快を与えるような内容や他の方に対しての暴力的な言葉や中傷
- 著作権の侵害・法律や倫理に反する行為
- 個人的に偏ったご意見や見解、他社を含む商品・サービスの不平や不満
- 個別記事の初期投稿日から一定期間を過ぎ、コメント投稿を受け付けていない場合
- 商品の感想または不具合など、個々に対応する必要がある案件
- 個々の記事に関係のない内容や話題の乱雑な投稿、迷惑なオフトピック
- その他、投稿時期のAI判別による不正防止と時事的な内容に抵触する場合など