アルマニア最新情報とブログのトップイメージ
NEWS/BLOG

XPERIA1VI用のレンズプロテクター試作品が完成

XPERIA 1VI用レンズプロテクターの試作品装着

現在開発中のXPERIA 1VI(ワン・マークシックス)用のレンズプロテクター、試作品が完成しました。試作品の実機への装着確認報告と、前モデル「1V」とカメラレンズ部分の大きさ違いなどについてご紹介していきます。

最初にカメラレンズ部分だけを切り取ってみると、それほどの大きな違いなどは分からないとは思いますが、新型1VI(1 mark6)は、1V(1 mark5)よりもカメラレンズ突起部分の形状が大型化しています。

XPERIA 1VとXPERIA 1VIのレンズ部分
以前の記事「XPERIA1VIが到着。1Vと比較しながら本体デザインの確認」より画像引用

レンズ自体の性能には大きな違いがほとんどありませんが、カメラレンズのハウジング(外形)や個々のレンズのガラス面などが大型化されています。

XPERIA 1VとXPERIA 1VIのカメラレンズ突起部の大きさ違い

このカメラレンズのハウジング部分の大きさを実際の数値で比較していきますと、以下のようになっています。

XPERIA 1VとXPERIA 1VIのカメラレンズ突起部比較サイズ
XPERIA 1VとXPERIA 1VIのカメラレンズ部寸法比較(単位:mm)

XPERIA 1Vと1VIの個別方向寸法比較

  • 縦方向 51.7→54.3mm
  • 横方向 15.9→16.9mm
  • 高さ 1.7→1.8mm
  • (突起部テーパー角度) 46°→32°

数値は少数第二位(1/100mm)を四捨五入しています。商品の設計上は1/100mm単位(箇所によっては1/1,000mm)も使用して合わせていきます。

見た感じでは前モデルのXPERIA1V(ワン・マーク5)から、大きく変更点がないように思われやすいXPERIA1VI(ワン・マーク6)ですが、カメラレンズ保護のレンズプロテクターを設計する上では完全にカメラレンズの突起部形状に沿わせる必要があり、細かな変更(違い)も反映させる必要があります。

数値からも分かる通り、1VIは1Vよりも全体的に若干大きくなっています。この大きさ違いの影響は少ないのですが、レンズプロテクターは両面テープ接着となるため、接着面の確保がどこでできるかがポイントになってきます。

接着面を稼ぐためにテーパー面も利用します

接着面の最初の候補に挙がるのは本体カメラレンズの上面平面になりますが、テーパー形状で立ち上がっているオーバル形状のレンズ突起の端には1番レンズと3番レンズがあります。

そこにはレンズのガラス面がハウジングの上面いっぱいまできています。

そのため、レンズガラス面の縁がほとんどありません。ここに両面テープを貼ることは不可能ですので、2番レンズ周辺しか上面の平面で接着できる領域が確保できません。

レンズプロテクターの両面テープ接着領域の説明1

しかしながら、このような2番レンズ周辺だけで接着するにも、LEDやマイク穴がありますので、まともに接着できる領域は2番と3番レンズの平面間だけになります。
そのような領域だけでは接着面が小さすぎて簡単に製品が剥がれてしまい、まともに使用には耐えません。

レンズプロテクターの目的は本体レンズ面とハウジング全体の保護になりますので、薄く・コンパクトに仕上げることが求められます。

そこで側面になるテーパー面も接着領域に利用するしかなくなります。

レンズプロテクターの両面テープ接着領域の説明2

このテーパー面も両面テープによる接着領域に加えることで上面+側面で十分な接着力を確保できます。

そのためには、レンズプロテクターの内側のテーパー面角度も正確に本体角度に合わせてあげる必要があります。

XPERIA 1VとXPERIA 1VIのテーパー面角度違い
やっかいなテーパー面の角度

前モデルの1Vは約46°と45度に近い数値でありましたので、45度の切削加工ツールはいくらでもあります。

しかし、この31.9度という中途半端な角度を持つ斜面を構成(加工)できるツールは、ドリルとは違って偶然でもない限りなかなかストックがありません。
そのため、1VI用には新たに31.9度の角度に特別加工したエンドミルを用意する必要があります。

試作には、この専用工具が届かないと試作が開始できないため、なかなか試作品の完成までにお時間がかかっておりました。

何より、その専用ツールを使用して製品内側の斜面を1発で加工することができますし、試作確認で問題が生じなければ商品の生産時にもその加工ツールが利用できます。

1VI用レンズプロテクターの試作品

こちらが31.9度の角度に加工したエンドミルを利用して、テーパー面を完成させた「XPERIA 1VI用のレンズプロテクター」試作品です。

レンズプロテクターのテーパー面加工

内側のテーパー面を最後に1周の加工で仕上げていますので、綺麗なテーパー面が構成できております。この面にも両面テープが接着されるようになります。

レンズプロテクターのテーパー面を利用した接着方法は前モデルの1V(1mark5)からとなっていますが、5V(5mark5)も含めてこのテーパー面の角度は両モデルとも45度でした。

1VI(1mark6)では、先述の通り角度が立って(きつくなって)しまったので、両面テープ自体の製品側への貼り付けが更に困難になります。

両面テープ貼り付け用の仮治具

レンズプロテクターの製品裏面の接着用両面テープは自動機械などを用いて貼っているわけではなく、一つ一つ手作業で貼っています。

手作業のため、作業者違いでどうしても両面テープの位置ズレは生じています。
それを少しでも一定にするために、両面テープ接着用の治具もモデルごとに必要となってきます。

まずは3Dプリンターで簡易的に制作した貼り付け用治具を用いて、その作業性を確認するために、完成した試作品と一緒に両面テープの貼り付け作業性確認が必要です。

両面テープ貼り付け仮治具

実際の貼り付け治具は、一旦この3Dプリンター製の治具で確認して、改良してからケミカルウッドなどで製作していきます。

1個単位ではなく、製品が5個か10個セットできるような最終治具に仕上げて行くことになります。

1VI用レンズプロテクターの試作品を実機に装着

説明が長くなってしまいましたが、こちらのレンズプロテクターの試作品をXPERIA 1VIの実機に装着しますと、このようになります。

試作品のレンズプロテクターをXPERIA 1VIの実機に装着
設計デザインと試作品(装着後)のイメージ比較

概ね想定通りの完成状態です。試作品のため、色はアルミの素地のままです。実際の製品では、カラーとレーザー印字が施されます。

1VI用でもう一つ厄介であったところが、LEDの部分です。

上から1番と2番レンズの間にあるLEDフラッシュ部分と平面との隙間がほとんどないため、ここはLED穴とするのではなく、1番と2番レンズを繋げるように回避させています。

素材がアルミとはいえ、薄く作れば素材はエンドミルがめくってしまい、変形してしまいます。
マイク穴もありますが、平面を維持する必要があるため、ここの面の周辺は1Vよりも厚みを若干上げて、通常1回で加工できるところを、1VI用ではこの周辺を数回に分けて仕上げています。

これから製品化にむけて生産を開始していきます

レンズプロテクターは製品的にも比較的小さいので、製品化は簡単なものかと思われがちですが、注意しなければならない箇所が多々あり、設計する上でも実はなかなか難易度が高いアイテムです。

今回の1VI用では今までに無いような加工方法となってしまったので、更に難易度と面倒さも増しております。

試作品の確認は直ぐに終わり、撮影時の各レンズで映り込みなどの影響もありません。しかしながら、ここまで結構な時間がかかったなぁ…と振り返りますが、この後に最終確認を行って生産へと進みます。

この後に順調に進んでも販売開始までには、もう1か月近くかかってしまうかもしれませんが、極力早期に販売開始できるよう進めて参ります。

また、XPERIA 1VI用のアルミフルビレットバンパー「EDGE LINE」の試作品もまもなく完成しますので、改めて試作品完成後にご案内して参ります。

このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事をシェアする

  • 個人情報やプライバシーを侵害するような情報
  • 閲覧される他の方に不快を与えるような内容や他の方に対しての暴力的な言葉や中傷
  • 著作権の侵害・法律や倫理に反する行為
  • 個人的に偏ったご意見や見解、他社を含む商品・サービスの不平や不満
  • 個別記事の初期投稿日から一定期間を過ぎ、コメント投稿を受け付けていない場合
  • 商品の感想または不具合など、個々に対応する必要がある案件
  • 個々の記事に関係のない内容や話題の乱雑な投稿、迷惑なオフトピック
  • その他、投稿時期のAI判別による不正防止と時事的な内容に抵触する場合など