開発途中USB Type-Cキャップの設計変更
昨年9月以降(iPhone14の発表以降)新型モデル対応に追われていたバンパー類がようやく出揃い、生産も落ち着き始めたところで、少し(商品開発時間に)余裕が生まれるようになってきました。
例年に比べ今年のモデルは早めに販売開始できたことで、例年よりも落ち着ける時期が1ヵ月ほど早くなっています。
そこで、ご要望を沢山いただいているものの、なかなか進められない状況であった「USB Type-C用のキャップ」についての進捗報告です。
予て(かねて)より、商品開発を行っていた「USB Type-C用のキャップ」については、当初からUSB-C端子部への抜き差しを半永久的に確実に行えるように内部で保持する爪を持ったハサミ形状部品を樹脂のインサートによる組み込み成形品で予定しておりました。
この段階で2次試作、第二段階と入っておりましたが、この方法を断念することで第三段階に入っております。
第二段階の商品構造
この(第二段階の)方法の場合、端子内部で固定するように機能するハサミ部品を耐久性も考慮し金属で作るように進めてはおりましたが、この金属の素材選定で様々な(ステンレス・バネ材などで)素材を試したものの、素材厚みの制限もあり変形しやすく良い結果が得られません。
また、形状を取り出すためには精密プレスまたはレーザーカットする2択となってきますが、極小部品でもあるためなかなかうまくいきません。
何より、USB-Cの差し込み口は縦方向で2.5mmほどの厚みしかありませんので、商品自体が極小になってきます。
そこで、このいわゆるハサミ形状を持つ構造を諦め、硬質素材の中でも柔軟さを持つTPEを利用したシンプルな構造への変更で進めて行きます。
「TPE」素材は熱可塑性エラストマーと呼ばれ、その特徴としては、常温の時はゴムのような柔らかさで、高温になるとプラスチックのように固くなります。
設計変更後(第三段階)のUSB Type-Cキャップ
さて、ここまでの経緯を踏まえて、構造から見直しされた今後進めて行くUSB Type-C CAP形状は構造的にはこちらのような方法になります。(第三段階へと進みます)
アルマニアらしく、フェイス面にはアルミを用いて、部品点数を減らし(フェイス面をアルミ、端子部をTPEで)シンプルな構造にしていきます。
部品点数は減らしますが、ご利用時の抜き差しに耐えうる構造へと更に手を加える必要があり、主に部品点数をフィックスしただけの状態です。デザイン的にも今後変更されます。
また、USB-C端子内の保持は樹脂部の収縮に任せる方法にもなるので、TPEの成形時に微調整していきます。
何より当初の構造(第二段階まで)で試作していた金型は今回の変更には対応(再利用)できないので、破棄するしかない状況となってしまいました。
今回の変更後の仕様では、また新たに金型を製作していきますので、商品化までにはまだまだお時間がかかります。
極小部品となるため駒数(取り数)を多く設定することも関係します。
次期iPhone(15)はUSB Type-Cになる可能性
次期(15になるとは思いますが)iPhone15シリーズでは恐らく充電端子はType-Cに変更となる可能性が高くなっています。
EU(欧州)では、2024年末までにスマートフォンなど電子機器の充電規格をType-Cに統一する法案を(2022年10月4日に)採択しており、その後、EUで販売されるスマートフォンの充電機器の端子は「USBタイプC」となります。
その対応として、次期型iPhoneでUSB-Cへ変更される可能性があります。
2024年末までと猶予があるため、iPhoneはもう2世代先になる可能性もありますが、いずれにしてもライトニング端子はType-Cに代わることになりそうです。
既に現行のiPadシリーズはType-Cに統一されていますので、iPhoneもいずれ統一化されることが予想されます。
こういった背景もあるため、今回進捗状況をご紹介したUSB Type-C用キャップの商品化を優先的に進めて行きます。
iPhone4まで(ライトニングの前)の充電端子部
ライトニング端子はiPhone5から始まっています。その後10年を超えてiPhone、iPadはライトニング充電端子を搭載していたわけですが、その前(iPhone4)は?と、もうすっかり忘れてしまっているほどでしたので、iPhone4を引っ張り出してきました。
本体(iPhone4)の底面にある長方形の長穴形状を見ると思い出す、懐かしい形状でした。ここから比べるとライトニング端子の小ささは革命的だったのかもしれません。
この端子に合う充電ケーブルも探してみたのですが、さすがに見つかりませんでした。また、ライトニングに変わった後のライトニング充電ケーブルの価格はなかなか高額な代物でもありました。
時代と共に進化したスマートフォンの充電端子は、今後の主流が【USB Type-C】となっていきます。
この記事は機械加工の中でもアルミフルビレット技術を駆使して独自の観点によって「独創性のアイテム」を造り出す、alumania(アルマニア)の専門スタッフにより執筆されています。
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