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「エンドミルを取り付けるために必要なコレットの紹介」
フライス盤やマシニングセンターにはエンドミルを直接取り付けることはできません。コレットと一緒にミーリングチャックにセットする必要があります。
ドリルのように鉛直方向だけの力ではなく、上下左右に向かっ切削加工するエンドミルは、主軸ホルダー(ミーリングチャック)に完全に固定する必要があります。
ボール盤のチャックは3点保持のため、横の動きには弱く、刃先もブレやすくなっています。
その完全な固定をするために、主軸ホルダー内部にエンドミルの太さごとに異なるコレットをホルダーナットの内部にセットして、エンドミルを差し込んでナットを締めます。

フライス盤やマシニングセンターにエンドミルをセットするときには、ボール盤でドリルを掴む際の「三つ爪チャック」のように簡単には主軸に取付できません。必ずエンドミルはコレットを使って主軸のミーリングチャックにセットします。

コレットにはエンドミルの太さによって異なります。
エンドミルの直径ごとに異なる内径の「コレット」を必要とするため、マシニングセンターの現場では、このコレットを数多く用意しておく必要があり、大抵コレットホルダーに数多くのコレットが並んでいくことになります。

マシニングセンター(フライス盤も同様)では、それぞれ1つのエンドミルに1つずつ、主軸ホルダーに収めるためのコレットを使ってエンドミルをセットする必要があります。
コレットの代表的な形
基本的な形として、外観的にはテーパー形状になっています。

エンドミルの取り付け方法
コレットには放射線状の「スリ割り」がたくさん見えます。(ちなみに画像のエンドミルは正確にはブローチリーマーです。)
このスリ割りにホルダーからの外圧が加わり、エンドミルを掴んでくれます。

コレットにエンドミルを差し込み(挿入し)ます。コレット側に見られる細い線(スリ割り)の隙間のおかげで、エンドミルはスーッとコレットに差し込むことができます。ミーリングチャック(主軸ホルダー)に差し込んで締め込むと、この隙間が狭くなって完全に固定されます。
コレットはナット側に組み付けられます。

分かりやすいように先ほど差し込んだエンドミルは外してありますが、コレットはミーリングチャック(主軸ホルダー側)のナットの内部に組み込む必要があります。
なお、このタイプは小径サイズのためナットにコレットをセットできますが、冒頭にある画像の比較的大きなフライス盤では直接ミーリングチャックに差し込むことができ、ナットはありません。
コレットをホルダに取り付ける
エンドミルを差し込んだコレットとナットをミーリングチャックに入れて、ナットを締めてセットは完了です。

この「コレット」は小さい部品ではあるのですが、極めて切削精度に左右する重要な部品であります。切削精度が出ない時に疑う部品でもあり、消耗品ではありませんが、新品交換することも時々あります。

エンドミルを固定するコレットのまとめ
- フライス盤やマシニングセンターにエンドミルを取り付けるにはコレットが必ず必要
- コレットはテーパー形状のスリ割りが入っている
- エンドミルの太さ違いで取付できるエンドミルが異なる
- ミーリングチャックの種類別でコレットも形状は異なる。
- マシニングセンターATCのため数多くのサイズと重複サイズが必要
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