「ねじ」には様々な種類がありますが、最も多く利用されるネジがJIS規格の【並目】ネジになります。
ネジの頭の形状は様々な形や種類があるものの、そのネジ部となるギザギザ部分は直径ごとにピッチが決まっています。これはJIS規格(JIS B 0205:1997 )で直径ごとにピッチが定められているためです。
ピッチとは、ネジ部の山と山の間(谷と谷の間)の距離をピッチと呼びます。
ネジの直径(M径)ごとにピッチが決まっていることは、ナットやボルトのネジ部も同じです。ただし、タッピング形状になった様々な種類が存在する「ビス」は異なります。
このピッチはJIS規格には2種類の違いがあります。
- 並目 = 一般的に使用されるピッチ規格
- 細目 = 並目よりピッチが狭く、山の高さが低くなる
ここではシンプルにネジの直径別に10㎜までは約1㎜ごと、10~30までは2㎜ごとでそれぞれのM径に対するネジのピッチを並目(なみめ)と細目(さいめ)を一覧化して早見表としてまとめています。
(数多く紹介しているサイトはありますが、ネジ山の詳細形状も記載された複雑なイラストと表になって知りたいことが直ぐに分かりにくい為です。)
ネジの直径とピッチ(並目と細目)の早見表
一般的なピッチは並目が利用されます。細目はその条件が必要な場合に使用します。
ネジ径 | 並目ピッチ | 細目ピッチ | 備考 |
---|---|---|---|
M1 | 0.25 | 0.2 | |
M1.2 | 0.25 | 0.2 | |
M1.6 | 0.35 | 0.2 | |
M2 | 0.4 | 0.25 | |
M2.5 | 0.45 | 0.35 | |
M3 | 0.5 | 0.35 | |
M4 | 0.7 | 0.5 | |
M5 | 0.8 | 0.5 | |
M6 | 1.0 | 0.75 | |
M8 | 1.25 | 1.0 | |
M10 | 1.5 | 1.25 | 細目のP1.25も多く利用される |
M12 | 1.75 | 1.25 | 細目のP1.5も多く利用される |
(M14) | 2.0 | 1.5 | ※2欄で参考掲載 |
M16 | 2.0 | 1.5 | |
(M18) | 2.5 | 1.5 | ※2欄で参考掲載 |
M20 | 2.5 | 1.5 | |
(M22) | 2.5 | 1.5 | |
M24 | 3.0 | 2.0 | |
(M27) | 3.0 | 2.0 | |
M30 | 3.5 | 2.0 |
- 「 JIS B 0205-1997 」の【1欄】を主体としています。
- ネジ径の前に記載の「M」はメートル(ミリ)ネジを表します。
- JIS規格のピッチは並目と細目があります。
※印刷用の早見表pdf版は並目のみとしています。 - M10とM12は、ピッチが細かい【細目ネジ】も一般的に多く利用されます。
- ()カッコで表示したM14やM27などは利用を推奨されいません。(※参考用掲載でJISでは2欄になります)
- インチねじは直径もピッチもインチ(25.4㎜)主体で異なります。
- ピッチは自由に製造できるため、規格以外も存在するが特殊
就職面接で質問されるかも?
ここで紹介するネジ径とピッチの関係は、生産現場や製品設計する場合には業界が長ければ主要なサイズは自然に覚えるほど耳にすることになります。
そういったこともあって、特に機械加工業界では就職の面接時にネジの直径ごとのピッチ(並目)を質問してくる会社もあるくらいです。大型機械を扱う会社でなければ、M3~M12までのネジ径とピッチの関係だけは、面接前に覚えておいて損はしません。
ネジやボルトを特定する呼び方
ネジやボルトには特に頭の形状違いに様々な種類があります。
画像があれば一発で特定と相手にも認識させることができますが、電話で伝える場合などは、ネジのサイズ(直径と長さ)は当然ですが、頭の形状も伝えなければ相手はどのネジやボルトのことかは特定できません。
ネジやボルトを特定するには以下のように考えて伝える必要があります。
例)「M6x15」
→ 直径6㎜の長さ15㎜です。ピッチは表の通りで1.0になります。
但し、これだけではネジの詳細形状や仕様まで分かりません。そのため、最低限「頭の形状」+「ネジのサイズ」+「色(素材)」を組み合わせて指示する必要があり、その時点ではじめてネジが確定できます。
例)「M8の六角フランジで40、緑亜鉛」
→ 直径8㎜で長さ40㎜の六角フランジ付きボルト、色が緑となります。
なお、この時ピッチを指定していないので並目のP1.25になります。(細目だとP1.0)
※M6(直径6㎜)を超えたあたりから、六角または四角形状の頭だと「ボルト」と呼ぶことが多くなります。ネジには変わりありませんが、完全に明確には分かれてませんのでボルトと呼ぶ人もいます。
この記事は機械加工の中でもアルミフルビレット技術を駆使して独自の観点によって「独創性のアイテム」を造り出す、alumania(アルマニア)の専門スタッフにより執筆されています。
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