丸物加工部品の中でも、特にネジ部の側面には「ローレット加工」されているものを目にすることが多々あります。
ローレットは主に2つの模様があります。
ローレットの模様には、「綾目」(アヤメ)と「平目」 (ヒラメ) が多く用いられます。
「ローレット」は旋盤で部品を切削加工する際に用いられる加工方法になります。切削対象物に横からギザギザの工具を当てて模様を付けています。
この模様の種類は大きく分けて2種類が一般的です。画像のものは×(網)になった集合体が「綾目(アヤメ)」です。これとは別に並列模様の「平目(ヒラメ)」があります。それぞれの特徴は以下の通り。
- 「綾目(アヤメ)」= クロス模様 ※クロスローレットとも呼ばれる
- 「平目(ヒラメ)」 = 直線模様 ※ストレートローレットとも呼ばれる
綾目と平目の模様を付けた対象物が同じ程度の大きさだと、どう違って見えるか紹介していきます。
綾目の模様
綾目は90度に交差しながら溝を刻んでいくため、一つ一つの模様が単体ではピラミッド形状になり、そのピラミッドが集合した状態になります。
この溝の深さや幅(1周の刻み数)を調整することで、同じ綾目でも全く異なった印象にも見えてきます。ここは意匠性にも影響してきます。
平目の模様
側面の鉛直方向から溝が切り込まれていきますので、単純な直線のギザギザが出来上がります。こちらの方がよく目にする方法かもしれません。平目の場合は少し意匠性には欠けますが、山のピッチ違いや深さの違いで印象は多少なりとも変わってきます。
ローレット加工するツール
こちらはシングルローラータイプのクロス(綾目)のバイト(表面加工工具)になります。旋盤で加工物の表面に押し当てることで、模様を転造します。綾目加工によく使われるのはダブルローラータイプです。
転造とも言えますが、ダブルローラータイプですと切削していくイメージの方が強くなります。こちらの方が深くまで刻めることができ、油をかけながらゆっくり切り込んでいくことで綾目の一つ一つがピラミッドになっていきます。90度にクロスしている山の刻みによって四角形が作られます。
ローレット加工を施す目的
ローレット加工は旋盤加工の時に行われる方法で、丸い棒状の部品に限られます。模様をつけることで、主な目的としては「滑り止め」用途になります。
「模様」ということで意匠性の役割も大きく、オリジナル性のアップにも貢献できる魅力的な加工でもあります。
この記事は機械加工の中でもアルミフルビレット技術を駆使して独自の観点によって「独創性のアイテム」を造り出す、alumania(アルマニア)の専門スタッフにより執筆されています。
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2 comments on "ローレットの模様 綾目(アヤメ)と平目(ヒラメ)"
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たしかに。
緩んでしまうかもしれないですね。
ネジの色つきは、できないでしょうか?
コメントありがとうございました!ネジはステンレス製のため、あまり色を付けるのは一般的ではないですね。色にもよりますがワンポイント効果も薄れるので今のところは設定する予定はないです!