ネジ部分は単に見るとギザギザに見えます。しかし、実際はギザギザの山と谷は「らせん状」になっています。そして、そのネジの山と谷の先端は完全な鋭角になっているわけではありません。
ギザギザの山と谷同士は先端に必ず隙間(すきま)を設けなければ、お互いにねじ込むことができないため、ネジには山と谷の先端がRまたはカットされた状態になっており、そのために実外径と実内径ができます。
ネジの寸法(規格)表を見ると専門用語が色々と記載されていますが、厳密に見ていくと単純に山と谷の先端だけでみてもネジとしては成り立たないためです。ネジを作る、設計するためには把握しておかないとなりません。
ネジの山と谷の先端は完全に尖ってはいません。
ピッチは山と山(谷と谷)の距離です。
ネジ径については「M10のネジ」であればボルト側の山の理論上の頂点が10mmになります。一方、ネジ穴側は谷の理論上の頂点が10mmとなります。
- 山の径(ボルトやネジの外径)=実外径
- 谷の径(ネジ穴の径)=実内径
ネジの直径が少し小さくなる理由
この頂点を規格上ではM(メートル、ミリねじ)+10(外径)で表し、先端はあくまでも理論上の頂点になりますので、実際にボルトのネジ径を測ればこの実外径により少し小さい値になります。例えばM10のボルトを実際に直径を測ると9.85㎜程度になります。
有効径は山と谷の中心径になり、機械設計することでもない限り中心径を意識する必要はないでしょう。
特殊なネジでない限り山と谷の角度は60度です。これはピッチも含めてオリジナルの専用品などを作る場合は規格から外れても何ら問題ありませんが、基本的なネジの考え方は同じ手法になってきます。
ネジ同士が噛み合った状態
ボルトをネジ穴に入れた状態をイメージしていきます。ネジ同士が噛み合う際にも、完全に接触面同士が両側で接触できるわけではありません。山と谷のクリアランスがあるため、厳密には片面に力が大きく効いています。
ネジ同士が結合した時にどのような状態になるのか、ボルト側のネジ部分を赤くペイントしたイメージになります。
ボルトをねじ込んだ状態
上が固定している状態です。片面同士で力が効いている状態になるため、長いボルトであれば締め込む前に揺らすとガタツキがあります。とにかくネジ同士にはこの隙間が絶対必要になります。
拡大してみると
締め込むと片側の面同士が接触します。両側が均等に接触しあうわけではありません。ボルトの頭の接触面で止まり、面同士の圧力によって固定されます。
この接触面積は一定でらせん状に並んでいることで、接触面積が積みあがって大きな面積分となり、強靭な固定が可能になります。そのため、ネジの噛み合い量となるピッチの量が目安となり、設計上の強度管理の指標にもなります。
ネジは工具や機械せ設定してしまえば簡単に作れはしますが、精度を厳密に管理する必要になるとなかなか大変な作業になります。
この記事は機械加工の中でもアルミフルビレット技術を駆使して独自の観点によって「独創性のアイテム」を造り出す、alumania(アルマニア)の専門スタッフにより執筆されています。
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