切削以外のアルミ金属の加工方法としては、主に「鋳造(ちゅうぞう)」と「鍛造(たんぞう)」があります。ここではその鋳造(ちゅうぞう)についてご紹介していきます。
鋳造はアルミのインゴットを溶かしてから金型に流し込みます
アルミダイキャストは鋳造によく似ていますが、材料を加圧しますので、プラスチックのインジェクションの金属版ともいえます。ここで紹介する鋳造は重力での流体を金型に流し込むかたちになります。
鋳造に使用される砂型
この画像の型は「鋳造(ちゅうぞう)」で使用される「砂型」と呼ばれるものです。
名前の通り内部の茶色い部分には「砂」が使われています。内部の色が違ってる部分が砂で、外側が金属枠になっています。
左右に見える丸い穴がアルミを溶かした流体が流れる(通る)道になっており、ランナーとも呼ばれます。
左右の型を合わせたときは左が下で、右がひっくり返して上になります。
鋳造の砂型を作ること自体はとても単純で、抜き出したい形を木で作った「木型」と呼ばれるマスターを中心に置いて型枠に砂を詰めて固めていきます。
木型は劣化することなく何度でも再利用しますので、木型と同じものが抽出されます。要するに作りたい形状そのものの形が木型です。
これで砂型へ反転させた状態(画像の状態)になりますので、上下の型を合わせたところへ金属を流し込みます。
型枠から砂を抜くと、回りが砂なのでボロボロ落として鋳造されたものを取り出します。砂は砂に戻ってしまいます。 もちろん砂は再利用できますし大変効率的です。
鋳造用の金型版
こちらは金型版の鋳造型になります。この金型は内部に複雑な空洞をつくりますので中子を用いています。その周りにあるのが金型です。上下の単純な金型ではなく複雑なパーティングをする金型になります。
ここまでで、完成する部品がなんとなく見えてきます。
茶色っぽい、明らかに色が異なる3っつの部分が「中子(なかご)」で、抽出する部品の内部の空洞になります。
こちらの場合は合計4方向からの割型となっています。砂型ではいたってシンプルでしたが、金型版ではここまで複雑ではなくともハードルは高くもなり最低生産量が大きくなります。
成形後に中子を取り出します。中子は成形後にボロボロと形を崩すことができますので、叩いて割りながら取り出せてしまいます。
加工前の中子を取り出した状態の成形品がバスケットに山積みです。このあと治具にセットして重要な部分の切削加工を行います。
例)ここまでくると芸術としか言えない複雑さの6気筒シリンダーヘッド
こんなに複雑なものも鋳造で作り出されています。特にエンジンの場合はポートという気体が通る道が内部に必要になるため、むしろ鋳造でなければ作れない代物でもあります。
この記事は機械加工の中でもアルミフルビレット技術を駆使して独自の観点によって「独創性のアイテム」を造り出す、alumania(アルマニア)の専門スタッフにより執筆されています。
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