今やスマートフォン(アンドロイド機)には主流となった接続コネクタ部分の規格である「USB-C(Type-C)」
以前の主流であった「micro USB」端子から進化したUSB-Cは、両面挿しが可能となり、高電圧が取り扱え、高速のデータ通信も大幅に進化した次世代端子です。
主にスマートフォンの充電にUSBケーブルを直接挿して充電される方では、毎日のようにUSB-Cコネクター部分を見ているものの、表面上はオーバルトラック(長丸)形状でしかなく、その奥に何かあることは何となく分かっているものの、その形状までを正確に把握することはありません。
そこで、この奥まったUSB-Cコネクター内の形状や構造がどうなっているのか紹介していきます。
受け側(スマートフォン側)のUSB-Cコネクター部分を正面から見ると、何やら中心に1本の横棒(物体)が見えます。
ここに片側12ピン(両側で24ピン)もの相手側と接触する内部端子があり、ケーブルなどが差し込まれれば、お互いの位置にある小さなピン端子同士が通電して様々な機能(給電や通信)が利用できるようになっています。
内部形状や構造を紹介する前に、USBには接続する上での2種類の対するコネクター形状が異なっており、差し込み側と受け側の形状からオス・メスに分けて呼ぶことが多いです。
突起凸コネクター側を【オス】、受け側の凹コネクターを【メス】と呼ばれることが一般的です。
USB-Cコネクター形状のオス凸とメス凹
USB-Cの場合、コネクター部のオス・メス(雄雌)は一般的に差し込み側(ケーブル側)がオスであり、端末側(受け側)がメスと呼ばれます。
正確なオス・メスの表現規定があるわけではないので、一般的に差し込み側のケーブル側がオスと呼ばれることがほとんどです。
一般的なUSB-Cのオスとメス
- 端末側が【メス凹】(主にコネクターが差し込まれる穴)
- 差し込み側が【オス凸】(主にケーブル側のコネクター)
しかし、USB-Cの場合は内部の部品(接触端子部品)単位としたオス・メスの考え方とした場合では、これが逆になります。
USB-Cコネクターの(受け側凹)メス側
端末に装着されるUSB-Cとしてのメス側であるUSB-Cの内部には、相手側と接触させるための1本の棒になった水平の形状が見えます。
この部分は実際に接触する内部端子同士から見ると凸になりますので、オス側になります。
USB-Cコネクターの(差し込み側凸)オス側
USBケーブルなどの差し込みする側が【オス】になりますが、内部の接触端子単位で見ると凹形状でありメスとなっています。
オスメスがハッキリしやすい、ライトニング形状とはこの点が大きく違ってきます。
なお、ライトニングはケーブル側がオス、端末(iPhone)側がメスという表現で間違いようもありません。
USB-Cコネクター内のオス・メス端子
さて、ここからが本題となりますが、USB-Cの場合、特にメス側の内部はなかなかその奥までは見えることが無いので、どんな形状になっているかよくわからないと思います。
そこで、お互いの接触端子部が実際にはどんな形状になっているかをご紹介していきます。
ここで紹介しているUSB-Cの形状は一例です。数あるコネクターメーカー、用途などで細かい形状や構造は異なってきます。
USB-Cコネクター【メス側】の内部端子
前述の通り、一般的な呼称で言えばメス側です。その内部の接触端子部品としてはオス形状になっています。
端末側のメスコネクター内部では接続端子単位では凸オス接続されます。
スマートフォンなどの端末側に付いている、この1本の棒にしか見ない部分は0.7mm程度の厚みしかなく、その中に両面に12本もの接触金属部があります。
この部品単位でも一体成型品ではなく、更に小さな部品の集合体であり、最も小さい金属のプレス品などは僅か0.1mmほどしかないものもあります。
これを更に分解すると
このようにたった0.7mmしかない中に両面挿しを可能にするため、片面12本(上下24本)の接触ピン端子を持ち、一体化されています。このような精密加工と精密な生産が無ければ成り立たないような精密部品がスマートフォンには使用されているということです。
アップ(拡大画像)で見れば、このような構造になっていることが分かりますが、実物は極小部品なので実物から形状や分解を確認しようにも鮮明に理解できることは難しい代物です。
USB-Cコネクター【オス側】の内部端子
USB-Cコネクターのオス側は主にケーブルのコネクターです。
コネクター単体ではオーバルトラック形状のプレス品に巻かれているのと、内部を見ても金か銀色のピンが並んでいるのが少し見えるくらいです。
あまりこの内部がどうなっているのかまで気になる方はオス側に比べれば少ないものだとは思いますが、オス側の内部端子についても分解した状態で紹介していきます。
メス側コネクターも極小の精密部品が折り合って構成されています。
このオーバルトラック部分のサイズは長丸形状で横7.0の高さ2.2mmです。
これを分解すると
こちらがUSBコネクターとしてはオス側(内部端子からすれば凹となるメス側)を分解した状態です。
外側に巻かれているプレス品を開いて中身を分解した状態になっています。
内部には更に構成単位として4っつの部品が組み合わさった4層構造になっていることが分かります。僅か、高さ2.2mmの内部にそれらが入っている状態です。
拡大画像のため、それらの形状が鮮明に見ることができますが、USB-Cのコネクターはオスメスともに、一つ一つの部品は1mmにも満たない精密製造された極小部品で構成されたものになっています。
まとめ
文中にオス・メスが数多く記載しておりますが、USB-Cとして2つのコネクター形状と、その内部の端子に分けて解説しています。
整理しますと、以下のようになります。
- メスコネクター → 内部の端子はオス接続
- オスコネクター → 内部の端子はメス接続
それぞれのコネクターと内部の端子は逆形状での接続になっています。
この記事は機械加工の中でもアルミフルビレット技術を駆使して独自の観点によって「独創性のアイテム」を造り出す、alumania(アルマニア)の専門スタッフにより執筆されています。
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