ジムニーに社外バックカメラ取付方法とベースプレート
ジムニー(JB64)のナビミニターなどに映し出すためのバックカメラは純正品では取付工賃込みで3万円を超えるほどの価格となっており、なかなかの高額です。
汎用品のバックカメラ自体はそれほど高額な代物ではありません。アマゾンなどでは(汎用品の)バックカメラは3,000円前後でも販売されており、肝心な性能(映像)面でも十分な画質と広角範囲であり、正直なところ純正品と遜色ありません。
amazonで販売される汎用バックカメラ
バックカメラの取り付けには若干の作業知識は必要になりますが、カメラ自体を作動させるためには電源(+/-)とモニターへの接続だけです。
単純にバック時に電源が入り、モニターと接続するRCA(黄)を1本接続しておけば良いだけです。
配線はシンプルそのものですが、やはり面倒に感じてしまうのは後方から(ジムニーの場合はリヤバンパーから)フロントのモニターまでの配線の取り回し作業です。これにはバックカメラの専用ハーネスを車体へ引き込む作業も伴いますので、若干ハードルが上がってしまう作業かもしれません。
こればかりは綺麗にハーネスを隠すように装着するためには必須の作業にはなってしまいますが、高額な純正バックカメラ(単体では2万円程度)を装着するよりは、DIYで作業して汎用バックカメラを利用できれば圧倒的に安く済みます。
しかしながら、もう一つ、汎用バックカメラを利用する際に問題(面倒)となりやすいのが、車体へのカメラの取り付け位置と固定方法です。
そこで、汎用バックカメラを装着しやすいように、ベースプレートを商品化に向けて進めております。
まずは汎用バックカメラをジムニー(JB64)へ装着する手順をご紹介していきます。
ジムニー(JB64)への汎用バックカメラ装着方法
アマゾンなどで販売されている汎用品のバックカメラを利用すれば、作業代やモニター代を除けば僅かの費用に抑えることができます。
全体の取り付け作業は時間や工具も必要にはなりますが、高難度の作業というわけではありません。
まずは配線方法を確認します。
汎用バックカメラの配線は基本的に3っつです。
電源(+/-)と映像(RCA)だけで完了します。
- バックカメラ電源+プラス(赤)を車体ハーネス側の茶へ
- バックカメラ電源用-マイナス(黒)を近くの(細い線の)黒へ
- RCA(黄色)映像をナビモニターから出ている外部入力のメスに接続
バックカメラの起動電源として車体のバックランプ電源を使用します。
これによって、普段は電源が入っていない状態となります。また、電源さえ入ればバックカメラ側から瞬時に映像が出力されますので、タイムラグも無くモニターに映し出されます。
電源接続はジムニーの場合は後方だけで完了してしまいますが、映像用のRCAケーブルだけは車体前方のモニターまで持っていかなければなりません。
そのため、内装の取り外しが面倒ではありますが、解説している方も多いのでそれらを見ながら作業すれば、それほど難しい作業ではありません。
汎用バックカメラの接続(円筒)コネクタのオススメ配置場所
汎用バックカメラのハーネス接続部は円筒の一体カプラがほとんどです。
バンパーを取り外しやすくするためにも、画像の位置辺りにバックカメラのジョイント部を位置させておくと良い位置となります。
また、仮にバックカメラが破損し、交換する必要であったり、他の高性能なバックカメラへ変更する際でも、リヤバンパー裏に円筒コネクタ位置を配置しておけば、(バンパーを外して)リヤ周りだけで交換作業が完了しますので、オススメです。
汎用バックカメラの固定方法として
と、ここまで簡単に汎用バックカメラの接続方法をご紹介しましたが、次に面倒なのがカメラ自身の固定です。
汎用バックカメラに付属のステーを利用しても、制約のあるジムニーのカメラ位置には早々たやすく適切な位置に固定できるものではありません。
バックカメラ固定用のタッピングネジ用ボスと位置出し用ピンが用意はされておりますが、当然汎用ステーがそのまま組み付けられるものではありません。
ジムニー専用品としてナビメーカーなどが用意しているバックカメラセット品には、ここを利用する台座も付属されていますので、装着は簡単になりやすいものですが、それなりの金額になってしまいます。
新車状態ですと、このバックカメラ取付箇所は一体型のカバーで覆われており、そのカバーを切り取る必要があります。画像は切り取った後の状態です。
汎用バックカメラ用にベースプレートを開発
アルマニアでは汎用品のバックカメラをジムニー(JB64系)に簡単に装着できるようにするため、ベースプレートを商品化に向けて開発しておりました。
汎用品のバックカメラは付属のステーで角度調整できるものがほとんどですが、製品ごとで位置関係が一律ではなく、本当に様々な位置になってしまいます。全ての汎用バックカメラに合わせられるようにするのは、ジムニーのカメラ穴に規制が多すぎるため、ある程度汎用カメラの種類を特定させて対応できるようにします。
主にはバックカメラのベースステーの形状がこのタイプになります。
アマゾン上でもこの形状が多いことから、このステーを利用しているバックカメラに焦点を絞って位置関係を最適化したベースプレートを設計しました。
複雑な形状となってしまいましたが、ジムニーのリヤバンパー内側に用意されている2か所のカメラ用固定ボスからカメラを外に抜かせるには、狭い道を通らねばならず、その範囲はかなり小さいです。
加えて汎用バックカメラのベースステー幅はその穴よりも若干大きいため、単純形状ではなかなか位置関係が満足できません。
大きくカメラが後方に飛び出す位置なら簡単ですが、不格好になったり、ナンバープレートに若干被ったりしますので、綺麗な位置に収めたいために20パターンほど設計を繰り返しました。
ジムニーへ汎用バックカメラ+ベースプレートの装着
最終仕様が確定した「(汎用バックカメラ用の)ベースプレート」を実際に組み付けた状態とバックカメラの位置関係がこちらになります。
リヤバンパーの切り欠き内に綺麗に収まり、装着後もバックカメラに付属のステーにより角度調整も可能です。車体方向前後も調整することも可能なようにしています。
制約が多い中でのリヤバンパー内に汎用バックカメラを綺麗に収めるため、どうしても後方をモニターに写し出すと上の左右にはリヤバンパーの切り欠きが映り込んではしまいますが、気になるほどではない状態です。
汎用バックカメラを下に角度調整すれば切り欠きの映り込みは無くなりますが、地面の範囲が大きくなりますので、この状態くらいが適切かとは思います。
そもそもジムニーのカメラ位置は相当下に位置するナンバープレートの上に装着となりますので、バックドアに装着位置があればここまで制約は無くなるはずですが、なかなか後方全体を映し出すには厳しい位置への装着となってしまいます。
このベースプレートを利用してバンパー内側から見ると、このような取付状態となります。
汎用バックカメラ用のベースプレート設計には、理論値だけでは机上の空論だけですので、全て実車に装着して確認の繰り返しになってしまいます。
これまで20種以上の設計パターンを行い、個々に3Dプリンターで位置関係確認用の試作を作り、装着確認してきました。
ようやく汎用バックカメラの傾向もつかめて、バックカメラステーの絞り込みと、ステーの位置関係を限定することで最終形状が確定しました。
この設計仕様でジムニーの汎用バックカメラ用ベースプレート(ステー)を販売開始に向けて生産を開始します。
汎用バックカメラ用にはなりますので、このベースプレート自体はタッピングスクリューが効きやすい樹脂製になります。
推奨する汎用バックカメラ以外でもこのベースプレートを利用すれば、そのカメラの位置関係によりスペーサーを追加したり、新たに穴あけしたりと加工しやすい素材の採用と位置関係を割り出しています。
法規制により4型ではバックセンサーが標準化されるが
2024年5月からの販売車輛は新型だけでなく継続生産車でも、「後退時車両直後確認装置に係る基準」が適用となります。
既に発表されておりますが、ジムニーは4型へとマイナーチェンジ(2024年4月発売)して、この法規制の対応用にバックセンサーがリヤバンパーに埋め込まれます。
この法規制が発表された際には全ての新型車または継続生産者にはバックカメラが必ず装着されるような報道も多かったわけですが、センサーやミラーでもクリアできます。
ジムニーの4型でバックセンサーが標準装備とはなりますが、バックカメラは依然オプション設定のままです。
今後、発売予定の「汎用バックカメラ用ベースプレート」は現時点で3型で設計されておりますので、4型に装着できるかは不明ですが、恐らくリヤバンパーの内側にはもともとバックセンサーがオプション設定でもありましたので、マイナーチェンジ後もバンパーの形状変更はなく、バックカメラ位置の関係も変更は無いと思われます。
何より、汎用品のバックカメラをジムニーに装着する際にはカメラの位置出しに何時間も試行錯誤する必要はなくなり、(汎用カメラはある程度限定されてしまいますが)ボルトオンでバンパー内へ埋め込むことができる簡単装着を担うアイテム「ベースプレート」は今春発売予定です。
■追記(2024/05/01)
ここでご紹介していた、ジムニーとシエラに汎用品のバックカメラを装着する際に便利なサポートステーベースの「BACK CAMERA STAY BASE SET for JIMNY/SIERRA (JB64/JB74)」が完成し、販売を開始しました!
この記事は機械加工の中でもアルミフルビレット技術を駆使して独自の観点によって「独創性のアイテム」を造り出す、alumania(アルマニア)の専門スタッフにより執筆されています。
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